進路便り 第4号 平成31年(2019年)2月15日発行 熊本県立盲学校 進路指導部 今回は、12月から1月にかけて実施した高等部普通科の校外学習について紹介します。 1.くまもとお仕事探検フェア 1)期日:平成30年(2018年)12月12日(水) 2)場所:グランメッセ熊本 3)参加生徒:普通科1・2年生  この企画は、熊本県の高校1・2年生を対象とし、医療・福祉・こども、生活・サービス、食、情報、ものづくり、交通運輸、まちづくり、行政など、様々な分野の仕事や仕事につながる学びについて知ることを目的として開かれました。事前学習では紹介DVDを視聴し、ガイドブックや会場MAPを見ながら、94の参加団体の中から4〜5の訪問ブースを絞り込みました。当日はいろいろなブースを訪問し、話を聞いたり、体験したり、積極的に質問する生徒たちの姿が見られました。あっという間に2時間が過ぎ、「とても有意義な時間が過ごせた。」、「もっと体験したかった。時間が足りない。」という声がたくさん聞こえてきました。生徒たちにとって、今後の進路や仕事を考えるうえで、とても参考になったようです。   <生徒の感想> ・インターネットで幼稚園児と話したり、物作り(新聞紙・折り紙で帽子・指人形を作ること)をしたりして、1日いたいと思うくらい楽しかったです。他にも行かなかったブースで面白そうなところがあったので、行けばよかったなと思いました。 ・平成音楽大学が一番心に残りました。音楽が人に与える影響は思っていた以上にすごく、社会生活のいろんなところで音楽と関わりながら働いている人の存在を知ることができました。これからの将来について考えるきっかけになりました。 ・専門的な用語を知り、その技術を体験することができました。印象に残ったのは、おもちゃの車を走らせるために、パソコンで前進・左折・右折の秒数を決めて車に有線で設定し、成功するまで何度もやり直しをしたことです。地味な作業ですが、こうやって世の中に出回っていると思うと、すごさを感じました。 ・心理・福祉関係のブースを見て回ろうと考えていました。今までホームページを見て、だいたいのことは理解していたつもりでしたが、やはり直接大学の先生と話したり、パンフレットを見たりすると、自分の知らないことがたくさんあり、驚きと同時にもっと興味がわきました。視覚の面での補助が受けられると知り、不安が取り払われました。 ・実際に見てみると興味のある企業がたくさん見つかり、いろんな体験をすることができました。特に印象に残ったのは、TKUのアナウンス体験で、改めてアナウンスの厳しさなどを実感しました。今回、具体的にどのような仕事内容があるのかを知ることができて、本当によかったです。 2.上級学校(大学)訪問 1)期日:平成31年(2019年)1月15日(火) 2)場所:九州ルーテル学院大学 3)参加生徒:普通科2年 T課程生徒    1学年150名定員で、少人数制のため行き届いた教育がなされていました。  大学の概要説明では、生徒たちの興味ある学科・コース(人文学科児童教育コース、心理臨床学科)を中心に説明していただきました。今年度の教員採用試験の合格状況や従来の臨床心理士(民間資格)に代わる初の国家資格である「公認心理師」の情報、精神保健福祉士の国家試験合格状況等を知ることができました。また、受験上の配慮では公平性を保つために、大学入試センターの基準に準ずるとのことで、早めの相談が望ましいようです。  体験授業は、3年生対象の学校ソーシャルワーク論でした。本校生徒にとっては少し難しい内容だったかもしれませんが、最前列席でスライドを見ながら、いただいた講義資料(拡大文字)に一生懸命メモをとる姿が見られました。障がいのある学生に対するサポートの一つとして、ノートテイク(講義内容記録)のボランティアを学生が行っていると聞いていましたが、実際にその場面(パソコン使用)を講義中に見ることもできました。1時間はあっという間に過ぎ、学食を体験し、施設(美しいステンドグラスのチャペル等)を見学した後、帰校しました。 <生徒の感想> ・実際に大学の講義を聞くのは初めての体験でした。普段の授業より長いので、どんな感じなのだろうと少し緊張していましたが、体感的にはすごく短く感じ、内容もわかりやすくて、とても楽しかったです。教室に入って大学生と一緒に授業を受けるという機会はとても貴重で、いい経験になりました。 ・心理臨床学科の心理学コースと精神保健福祉コースの違いを詳しく説明していただき、自分の中で腑に落ちた感じがしました。今まではコースの概要しか知らず、今回深いところを聞けてよかったです。講義では、「スライドを見る時間」、「話を聞く時間」、「書く時間」と、はっきり時間がとってあり、いろいろな機器を併用しながら受ける人にとっては、慌てることなくしっかりと理解できるなと感じました。また、実際に学生の方がパソコンテイクの支援をしている場面を見ることもできてよかったです。今回の訪問で、心理学により興味・関心をもつことができ、自分の進路のためにもっと努力しなければならないと思いました。