スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール

【研究開発課題】
産学官協働により災害対応型エンジニアを育成する教育プログラムの開発
 
【研究開発の概要】
熊本地震に学ぶことから始め、防災、減災時や災害発生時において適切な対応や貢献ができる人材の育成を目指して、災害対応型エンジニアを育成する教育プログラムの開発に産学官が協働して取り組む。
 
【育成を目指す人材像】
・インフラ復旧に貢献できる力を備えた人材
・新耐震建築の構造を理解し復興に寄与できる力を備えた人材
・居住空間のコミュニティ促進に貢献できる力を備えた人材
 
・研究イメージ図: 研究イメージ図.pdf
  
  研究イメージ図
 
・研究開発の概要: 05_研究実施報告(概要)v33.pdf
 
 
・研究実施報告書:

1年次研究実施報告書

2年次研究実施報告書

3年次研究実施報告書


・成果報告動画:3年間の研究成果を動画で発表します。(18分15秒)

 

 


・生徒の声

 私が熊工に入学した理由は熊本地震で被災した熊本の復興に携わりたいと思ったからでした。在学時はSPHの一環の県外視察を通して,国の仕事の規模の大きさや仕事への熱意を知ったことをきっかけに国土交通省で働きたいと思うようになりました。4月から私は国土交通省の一員として働くことになります。SPHで得た知識を生かし,国土交通省でも頑張りたいです。
 私が熊工に入学した理由は、ものづくりに興味があり、建築について深く学びたいと思ったからです。3年間SPHに取り組んで、耐震補強方法や文化財建造物の構造など、普段の授業や実習では学ぶことができないような深い知識・技術を学ぶことができました。また、ポスターセッションなどでの発表を経験することで、コミュニケーション能力や考える力も身に付けることができました。これから、社会に出て3年間学んだことを生かしていきたいです。
進路先:株式会社増永組
 私が熊工のインテリア科に進学した理由は、熊本地震で建物の倒壊だけでなく、室内にある家具や食器棚の転倒による危険性を感じたのがきっかけで、デザインを学び、安心して生活ができることに貢献したいと思ったからです。SPHでの研究を通して、被災された方々とコミュニケーションをとりながら災害復興に携わり、デザインをする難しさとやりがいを感じることができました。熊工は、自分をさらに成長させてくれるいい環境だと思います。

 

日誌

SPH活動日誌

令和2年度 3年次 成果発表会

〇令和2年度 熊本県立熊本工業高等学校 3年次 スーパー・プロフェッショナル ・ハイスクール(SPH) 成果発表会

1 日時 令和2年12月15日(火)12時50分~15時25分

2 会場 熊本県立熊本工業高等学校 第1体育館

3 日程 12:30~12:50 受付
     12:50~13:10 開会
     13:10~15:15 成果発表
     15:15~15:25 閉会
     15:40~16:40 運営指導委員会・研究推進委員会(熊工会館)

開会式

ポスターセッション

ポスターセッション

ポスターセッション

ステージ発表

運営指導委員会・研究推進委員会

 

インターロッキングブロック施工実習【土木科】

1 期日  2020年11月17日(火) 終日
2 場所  熊本工業高等学校 北-中棟間連絡通路
3 対象学年  土木科1年生(39名)
4 協力  熊本県建設業協会青年部

5 目的
現在、校舎間移動で通行する屋外通路はゴム製マットが敷設してあるが、劣化が進み通行に支障がある。熊本県建設業協会青年部の協力の下、雨天時または車両が通行することを考慮して、インターロッキングブロックで施工することで、土足で通行している状態を解消し、施工体験を通して建設業のイメージアップに繋げたい。

6 日程
  9:00~ 9:45 開会・実習内容説明
  9:55~12:00 実地研修
 12:10       閉会

7 内容  下地の敷均し・転圧、ブロックの敷詰め、目地の調整

8 実習風景

前日に重機で舗装を剥ぎ取る

下地に砂を敷いてレーキ等で均す

コンパクタ(転圧機)で整地

隙間なくブロックを敷詰める

目地に砂をつめて完成

協力頂いた青年部の方々

9 アンケート結果(調査数39名)

Q1.道路舗装の工事に関して、興味関心がある

 

 

Q2.今回の施工実習に積極的に取り組み、学ぼうとする意欲がある

 

 

Q3.自分の将来の職業に対して意識をしている

 

Q4.防災・減災について興味・関心がある

 

Q5.将来、災害に対応できるエンジニアとして活躍していくことに興味・関心がある

 

 

10 感想(抜粋)

・今回の実習では自分の将来の事について、考えが少し変わりました。今までは大手の会社に就職したいと思っていましたが、地元の中小企業や職人になるのも選択肢の一つだなと思いました。もっと考えを深めるために、今後の実習にも力をいれていきたいです。

 ・アスファルト実習とは違う楽しさや難しさなどがあり、とても良い経験になった。このような貴重な経験ができるのは、熊工ならではなので、熊工に入学することができたことを誇りに思った。

 ・熊工の古い部分を施工して自らの土地を自らで使いやすくするというのは、とてもうれしいことだなと思いました。業者の方が言っていたことで「自分たちで作ったものは、自分の息子や家族、友人などに誇りをもって言えるという実感」を自分も感じ、今回の実習を将来や仕事を選ぶときにも参考にしたいと思いました。

 ・今回の実習を通して、土木は道路や橋などの建設物ばかりの仕事が全てと思い込んでいましたが、デザイン性や利便性、耐久性を重視したインターロッキングブロックという施工を体験したことにより、自分の中の土木に対する知識や関心が高まりました。また、将来の選択肢が増え、土木についての勉強をするのが今まで以上に楽しみになってきました。

 ・今回の施工実習を通して、幼い頃から好きだったものづくりに少し触れることができて、もっと好きになりました。また一層興味が湧いてきました。今回は以前の舗装作業よりも工程が淡々としており、頭で理解しながら、「これは何のため」などと考えながら、積極的に行動することができました。少しの時間だったが、疲労は溜まりました。そう思うと、土木の仕事って、時間や労働力を使って、私達に必要なダムや道路、トンネルなどを構築していっているので、本当に日本でも世界でも欠かせない職業だなと思いました。

 ・自分たちがこれから使っていく物を自分たちで作ることができて良かったです。このような貴重な経験をさせていただいて感謝しています。自分達も将来このような仕事をする事になると思うけど、早さと正確さが求められてくると思うので、プロの方がされているのを見たり、積極的に動いたりして少しでも経験をつんでいけたらいいです。

 

くまもと物産フェアオンラインに本校SPHの取組が紹介されています。

くまもと物産フェアオンラインが開催されており、「専門高校紹介」に本校を代表して、土木科3年生4名が参加しています。学校紹介やSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)事業に関して、紹介しております。

その動画が下記アドレスで公開されていますので、是非ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=eiH4w0Ez2lU&feature=emb_title

 

くまもと物産フェア オンラインについては、下記アドレスよりご覧ください。

http://www.kumamotobussan.com/

 

非破壊試験特別授業第2回(劣化調査・診断)【建築科】

<建築科>課題研究「非破壊試験班」特別授業第2回(劣化調査・診断)

日  時 : 令和2年11月10日10時から15時25分まで
10:00~12:50 赤外線サーモグラフィーカメラについて(南棟)
            外壁タイルの赤外線カメラ・打診調査実習
13:35~15:25 建築物の長寿命化について(第二体育館)
            建築物のひび割れ調査、不同沈下量調査、中性化試験
            コンクリートの強度試験(シュミットハンマー)
            鉄筋調査

対  象 : 建築科3年生課題研究「非破壊試験班」8名、職員2名
協力会社 : 住商産業株式会社
場  所 : 熊本工業高校敷地内(南棟・第二体育館)


アンケート集計結果: 1事前アンケート結果.pdf
           2事後アンケート結果.pdf 

 

 住商産業株式会社社長の内田大和様の指導のもと南棟において赤外線カメラや高所作業車を用いて、外壁タイルの劣化調査の実習を行いました。午後の授業では、第二体育館において建築物の長寿命化についての講義として、外壁のひび割れ調査と原因の考察や不同沈下量調査、中性化試験、コンクリートの強度試験(シュミットハンマー)、鉄筋調査の実習を行いました。

 生徒の感想の中には、「今まで私たちが学んできた校舎はそんなに劣化していないと思っていたが、タイルの浮きやひび割れなど多く、想像以上に劣化していた。調査では、色々な調査器具を使うことができ貴重な経験になった。今回の実習では、建築物の長寿命化に関する知識とその調査方法を実際に行うことができた。今後私が仕事で建築物に携わっていくが、今日学んだことを忘れずに取り組みたいと思った。」などの言葉がありました。生徒にとっては、普段の授業ではできない貴重な経験をすることができたと思います。


外壁タイルの打診検査の様子


鉄筋探査の様子


不同沈下量調査の様子


建築の長寿命化についての講義の様子

 

南阿蘇断層被害見学会【土木科】

1 期日
 2020年10月29日(木)終日

 2 行程
 立野ダム展望所 → 57号線落橋箇所 → 阿蘇大橋
 → 長陽西部小学校(昼食) → 高野台(地すべり)
 → 俵山展望台 → 益城町堂園(断層)

 3 対象学年
 土木科2年生40名

 4 講師
 国立大学法人 熊本大学 くまもと水循環・減災教育センター
 教授  松田 博貴様
 特任准教授  鳥井 真之様

5 目的
 熊本地震により、南阿蘇・益城町を始め、多くの県内の地域が被害を受けた。特に、道路、電気、水道などの生活を支えるインフラ構造物に関する被害は、地震のメカニズムに関係しており、専門的な見地から断層による地震のメカニズムを理解することは、土木技術者として災害対応型エンジニアを目指す上で重要である。そこで、今回、専門家による講話を受けて、被災箇所を見学することで、その理解を深めたい。

6 内容
 南阿蘇・西原村を中心に、熊本地震の際に、断層のずれによる被害箇所を見学する。現地学習には、事前学習で講義していただいた松田教授・鳥井准教授にも同行いただき、見学会を実施した。

  

 

 

 

 

第30回全国産業教育フェア大分大会

スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業発表会

日時:令和2年10月24日(土) 10:20~12:30

第30回全国産業教育フェア大分大会にて,SPH事業の発表会が併せて開催されました。
今年はコロナ禍により,動画発表とオンライン協議という形となりました。

公式ページはこちら

 


熊工会場の様子です。オンラインで大分会場とつながっています。

 
こちらは大分会場の様子です。ここから全国の学校とつながっています。


リアルタイムで全国とつなぐためにはこれだけの機材が必要だそうです。


大分会場に展示されていたポスターです。
展示ポスターPDF:R2ポスター.pdf

 



大分のメイン会場の様子です。かなり広い建物でした。

 

仮設住宅「みんなの家」見学【インテリア科】

SPH事業に伴う見学を実施しました。

 10月14日に、インテリア科1年生が西原村にある袴野集会所と星田公民館の見学に行きました。

 この二つの公民館は、仮設住宅に建てられていた「みんなの家」を被災地の集会所や公民館として移転、活用されているものです。

 当日は西原村役場の方や、関係された設計事務所の方々においで頂き、仮設住宅に建設されるときや移転するときの様子を説明していただきました。

 特に、避難者や地域住民とのワークショップを重ねることで、仮設住宅では皆のリビングとして活用していただけたこと。移転後は集会所として長く使い続けるための工夫ができたことを、具体的に説明していただきました。生徒たちもしっかりとメモを取りながら聞いていました。

 西原村役場の山田様、セルアーキテクト、(株)産紘設計の方々。また袴野地区、星田地区の皆様、有り難うございました。

 袴野集会所内での説明

 


 ヨーロッパにも行った「みんなの家」の模型

 


 星田公民館での説明

 


 星田地区の被災状況の説明

 

アスファルト舗装実習【土木科】

令和2年SPHアスファルト舗装実習

1 期日
 2020年10月13日(火) 終日

2 場所
 熊本工業高等学校
   ①正門前歩道
   ②体育倉庫前

3 対象学年
 土木科1・2年生(89名)

4 協力
 (一社)熊本県道路舗装協会

5 目的
 土木科ではインフラ復旧に貢献できる技術者の育成を目指して研究を進めているが、今回、校内のアスファルト舗装実習を(一社)熊本県道路舗装協会の御協力により実施しました。内容は、機械施工、維持修繕工法、カラー舗装、仮復旧体験です。
 道路舗装は、災害時のライフラインの復旧の中でも、救急車両を通し、支援物資を運搬するためにも非常に重要なものです。今回の実際のアスファルト舗装実習を体験することによって、その技術・知識を深め、舗装技術を通して地域に貢献できる技術者を目指して実施します。 

6 日程
  9:00~ 9:30 開会
  9:45~12:00 実地研修(グラウンド前・正門入口)
 12:00~13:00 昼食
 13:00~15:30 実施研修
 16:00       閉会

 7 内容
  維持修繕工法
  2年生:オーバーレイ工法
  1年生:カラー塗装・段差擦り付け補修

8 実習風景

 動画:         

実習を前に説明を受ける1年生

カラー塗装前に歩道の掃除中

歩道との境界にはマスキング

カラー舗装の体験

塗装の前と後

段差の擦り付け補修

重機と手作業でアスファルトを敷く

境界面は転圧機で滑らかに

バックホウの操縦体験

 

完成した道路で記念撮影!

 

9 アンケート結果

Q1.道路舗装の工事に関して、興味関心がありますか?

Q2.自分の将来の職業に対して意識をしている

Q3.将来、災害に対応できるエンジニアとして活躍していくことに興味・関心がある

 

10 感想(抜粋)

・今までアスファルト舗装の仕事のイメージは「暑そう」とか「きつそう」というマイナスなイメージでしたが、今回の実習で、「人の役に立つことができる仕事」というイメージに変わることができました。また、カラー塗装された道を見ると、見栄えが良く、通る人も気分が良くなり、作った人も達成感があり、道路舗装はやりがいのある仕事だと思いました。

 ・カラー塗装では、塗っていく高さを上げると面積が広く薄くなり、低く下げると面積は狭く濃くなるので、塗料を最小限かつ作業効率を上げるために丁度良い高さで均等に塗る必要があることが分かりました。それに、アスファルトのひび割れの部分は特に塗り残しが起こりやすい安いことも分かりました。SPHは今年で終わってしまうが、このような貴重な経験ができる実習が来年も続いていってほしいと思いました。

 ・舗装体験では、まだ扱ったことのない重機があり、特にタンパを使った締固めはとても難しく、思うように動かすことができずにいました。自分は不器用なので、カラー塗装の作業も難しくて向いていないと感じましたが、このような経験ができたからこそ、次にどのようにすればよいかが分かるし、自分にどんな仕事が向いているのかというイメージもできました。自分ができないからやらないというのは通じないので、自分ができなくてもやれるように頑張りたいと思いました。

 ・舗装作業は想像していたよりも暑く、アスファルトを扱うときは火傷しないように心掛けました。また、ローラーなどの重機を運転するときは死角に十分気を付けて操作しなければいけないことを教わりました。塗装体験では、道路にどのようにして塗装がしてあるのかをとても詳しく教えてもらいました。担当者の方がとても上手に塗装をしていたので、簡単だと思って挑戦しました、意外と難しかったです。実習服は汚れましたが、だんだんと出来ていくことに楽しさや達成感がありました。

 ・カラー塗装体験をするまでは、塗装は簡単なものだと思っていました。でも、実際にやってみると、液体はすぐになくなるからすぐに入れないといけないし、ムラが出来ないように2回も塗装しないといけないのが結構大変でした。これからも自分の想像とは違うものにたくさん遭遇すると思うので、できる限り体験していきたいです。

・今回の体験で色々な重機に乗ることができ、とても楽しかったです。プロの仕事を間近で見て話を聞くことができ、驚くことがたくさんありました。いつか自分もあんな仕事をできるように高校3年間の勉強を頑張ろうと思いました。

 

UAV空中写真及び地上レーザーによる3次元点群データを基にした3Dモデルの動画【土木科】

ドローンと、地上レーザーによる3次元点群データを基にした3Dモデルの動画を、公式YouTubeチャンネルに掲載しています。

https://youtu.be/3MwTxV4pMqw

 

地上レーザーで作成した3次元データは校舎の屋根部分を反映していませんが、壁面は精密にデータを取得しています。これにUAVで作成した3次元データを重ねて3Dモデルを制作しています。

  

 

 

阿蘇神社・旧東海大学阿蘇キャンパス現場見学【建築科】

日時:令和2年10月2日(金) 9時から15時45分まで
  9:00~10:30 移動(熊本工業~阿蘇神社)
 10:30~12:00 阿蘇神社見学
 12:00~13:30 昼食・移動(阿蘇神社~旧東海大学阿蘇キャンパス)
 13:30~14:45 旧東海大学阿蘇キャンパス見学
 14:45~15:45 移動(旧東海大学阿蘇キャンパス~熊本工業)

対象:建築科3年生38名、職員3名

協力:阿蘇神社、文化財建造物保存技術協会、清水建設株式会社
   熊本県庁知事公室付震災ミュージアム

場所:阿蘇神社(熊本県阿蘇一の宮町宮地3083-1)
   旧東海大学阿蘇キャンパス(熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽5435)

 阿蘇神社では、プロジェクターを用いて、文化財建造物保存技術協会・清水建設株式会社より、熊本地震による被害の状況や楼門の耐震補強として用いる鉄骨フレーム、柱の継手として用いるアラミドロッドなどの説明をしていただきました。その後、実際に作業中の楼門や古材の加工場などを見学し、作業状況や施工・管理方法などの見学を行いました。旧東海大学阿蘇キャンパスでは、熊本地震によって被害を受けた校舎や断層などを見学しました。また当時を知るガイドの方から、熊本地震時の状況や体験談などの説明をしていただきました。生徒は「阿蘇神社の耐震工事や旧東海大学阿蘇キャンパスの被害状況を見ることができて、新たに耐震についての知識を学ぶことができた。柱の継手にアラミドロッドという技術が使われており、自分の知らない技術を実際に見ることができて勉強になった。地震による建物の被害だけではなく、改めて地震の恐ろしさを感じることができた。また命の大切さを再認識することができた。」と感想を述べていました。

 

阿蘇神社見学①

阿蘇神社見学②

旧東海大学校舎見学①

旧東海大学校舎見学②