徒然雑記帖

2019年7月の記事一覧

体験入学と夏越しの祓

 

 いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

全国的に危険な暑さ!と盛んにテレビが報じていますが、いかがお過ごしですか。

 

 そんな暑いさ中、今日、学校では体験入学をメインに、ものづくり体験教室や寮見学会が開催されました。生徒・保護者、引率の先生も含めて400人近くの参加があり、中には遠路、関東方面からお越しいただいている生徒さんもおられました。ありがとうございました。熱中症の発生も懸念されたところですが、皆さんそれを跳ね返す位の熱意を持って参加していたように思います。

 いかがだったでしょう、楽しんでいただけましたか。来年、ものづくりを学ぶ本校に入学したらどのような学校生活を送ることになるか、少しはイメージが湧いたでしょうか?中学生の皆さんたちの進路決定の参考になったら嬉しいです。

 

 説明などのお世話をしていただいた3年生の皆さん方もお疲れ様でした。育友会から、お昼の弁当を支給していただきました。ボランティアのお礼ということでしょうか?

 写真は、開会式と建築科での鉋がけ体験の様子です。

 

 ところで、早いもので7月も今日で終わりになります。今日、学校のすぐ下にある青井阿蘇神社(国宝)で「夏越しの祓(なごしのはらえ)」が開催されると聞いていたので、放課後、ちょっと様子を見に行ってきました。神事は夕方5時半からということで、残念ながら参加することはできませんでしたが、写真のとおり、茅(ち)の輪の組立も終わり準備万端といった様子でした。

 

 7月1日の記事にも書いていたように、夏越しの祓は、正月から半年間に知らず知らずにたまったけがれや罪を落とし、その後の半年間を健やかに過ごせるように願って、浅茅(あさじ)で作った大きな茅の輪をくぐる神事のことです。

 青井阿蘇神社の場合、HPによると、鎌倉時代の至徳3年(1386年)相良7代藩主前頼(さきより)の時代に始まり、一時中断しましたが、室町時代の天文2年(1533年)16代藩主義滋(よししげ)により再興され、現在まで600年以上連綿と続く伝統的神事とありました。

 

 最後に、いつものように「小町算ごとき」に挑戦してみます。

 今朝、学校に着いて最初にHPを開けた時(午前7時26分現在)の総アクセス数は1471663でした。この 1471663 という数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れて、今日の日にち7月31日の数字をそのまま並べた731を作ってみます。

 

 71663=731 → 7月31日

 

 あまりにも簡単にできたので拍子抜けです。ということで、もう一つ。

 

 |147×()|-!!!!÷=731 → 7月31日

 

 夏休みも既に4分の1が終わりました。明日から8月。皆さん、いい夏をお過ごしください。

【校長】

 

 【注】 中学生の皆さんへ

 2つ目式の中にある"||"の記号は「絶対値」です。中学1年の数学で正の数、負の数を学習したとき、この言葉は見受けたことがあるはずです。数直線上の(原点との)距離(の差)を表し、|-4|=4とか学習しましたよね!

 絶対値の問題では、絶対値の記号"||"をはずして計算をすることが多くあります。そのはずし方、3通りあります。

 ①絶対値の中が0より大きい場合は、|3|=3のように絶対値の記号をはずすだけ。②絶対値の中が0の場合は、|0|=0のように0になります。③絶対値の中が0より小さい場合は、|-4|=|(-1)×(-4)|=4のように、中の数字に-1をかけてから絶対値の記号をはずします。-をとるのではなくて、-1をかけるというのが"みそ"です。

 いつだったか、1年生のある教室で、|√2―2|の絶対値をはずす数学の授業を廊下越しに見ました。√2はおよそ1.414です。それから2を引きますので絶対値の中は0より小さくなります。従って|√2―2|=|(-1)×(√2―2)|=-√2+2(=2-√2)となります。中学生の皆さんにはちょっと難しいかもしれませんが、大丈夫ですよね!

 

 

ものづくりコンテストの練習廃材から

 

 暑中お見舞い申し上げます。

 夏休みに入って早くも1週間が過ぎようとしています。夜、寝る前に振り返ったとき、納得いく一日一日が送れていますか?

 

 さて、気付いている人がいるかもしれませんが、先日来、建築科のピロティに見慣れないベンチが置いてあります。

 

 よく見ると、先日開催された高校生ものづくりコンテストの「木材加工部門」の課題作品を組み合わせて製作したものみたいです。

 

 担当の先生に伺ったところ、今年度から課題の内容が大きく変わり、右の写真のような「四方転び」になったそうです。難化したことを受けて、選手だった建築科伝統建築コース3年鳥越君らもかなりの練習を積み、全部で20個以上の作品を製作したんだそうです。その再利用を考えていて閃(ひらめ)くところがあり、作ってみたということでした。

 ここで敢えて紹介しなければ、これが廃材からできているなんて、分からなかったのではないでしょうか。

 

 3つのベンチが並んでいましたが、特に一番左側の八角形のベンチが素敵だと思います。高校の日本史で「古代の天皇陵(古墳)は八角形のものが多い」と習って「そうなんだ!?」と思って以来、私、八角形を見ると特別な反応をするようになりました。風水関係の本で読んだことですが、八角形は全方位を象徴していて、森羅万象から幸せのエネルギーを引き寄せることができるという意味で特に大切にされ、「風水のシンボル」と呼ばれているようです。中でも、八角形のフレームの鏡は、全方位から幸せを引き寄せて、運気がアップしたり、金運が上がったり・・・といった効果があるんだそうです。

 

 梅雨が明け大変暑い最中、建築科の木材加工室では、伝統建築専攻科2年の川口君と1年の和泉君が来る7月31日から福岡市のマリンメッセ福岡で開催される「第14回若年者ものづくりコンテスト競技大会」に向けて、黙々と練習に励んでいました。八角形のベンチが勝運を引き寄せて、良い成績が出ることを祈っています。

 

 

 話は大きく変わりますが、ものづくりコンテストは木材加工部門に限らず、旋盤部門でも電気工事部門でも、練習をとおしてかなりの廃材が出ます。その再利用のアイディアや技術を競うものづくりコンテストをするときっと面白いのでは、といつも思っています。

 実際、「古くなってしまったものを、別の新しいものとして蘇らせる」ことを目的とする様々なコンクールが開催されています。山形県では、使用済み自動車の3万点からなる部品の再利用、再資源化等をテーマとしたものづくりコンテストが実施され、山形工業高校が「エアバッグを再利用した車イス」を製作して、並み居る高専や大学を押さえて最優秀賞を受賞したというニュースをつい先日も目にしました。

 ものづくりコンテストの廃材を活用したものづくりコンテスト、できないものでしょうか?いつか工業校長会で提案してみたいと思います。

【校長】

 

面接の練習が行われています

 

 1学期も残り1週間を切りました。蒸し暑い昼下がり、校内のあちこちから「失礼します」と大きな声が響いてきます。写真は機械科の面接の練習の様子です。

 

 本校の面接の練習は、各科ごとに専門科目の授業や実習等から少しずつ時間を捻出して行うものと、全職員に生徒数名を割り振って行う2系統で行っています。私がこれまで勤務した学校では、全職員が面接に関わる方式は経験ありません。本校だけの特色あるキャリア教育の取組かもしれません。

 

 ところで、面接の練習の功罪、色々と言われています。企業関係者からも「志望の理由など棒暗記してきたものをオウム返しに言うだけで、ちょっとイレギュラーな質問をすると返答に窮する」などと、面接の練習をやり過ぎて「面接慣れ」していることについて、時として厳しい御意見を伺うことがあります。おっしゃることは、私たちも前期(特色)選抜等で中学生受験者に面接をしていて、全く同じことを感じることがままあり、よく分かります。

 でも、だからと言って、面接の練習を全くせずに、就職試験に臨ませることは躊躇します。やはり、当日の緊張を和らげ、事前に会話の印象を確認できるなどのメリットも大きく、適度な練習は欠かせないと思っているからです。生徒の皆さんは、友人や家族に面接官役をお願いする、録画して確認する…などの方法も使って、客観的な意見をもらいながら練習を深めてください。

 

 建築科伝統建築コースの生徒たちの面接の練習は、午前中にあっていたそうです。宮大工希望の生徒もいるはずです。

 図書館にある菊池恭二著「宮大工の人育て」のp.212~216には、「採用では、一に真面目さ、二にやる気と覚悟」と題して次のような記述がありました。これを読むと、「面接は虚々実々だ!」とまで言ったら大げさかもしれませんが、採用側と受験生との一対一の真剣勝負であることがよく分かります。一部を引用します。

 

 弟子を取るときは採用面接を行います。工務店の子どもさん、公務員の子どもさん、いろいろな人がきます。学歴はいっさい関係ないし、ペーパーの試験をやるわけでもありません。弟子にするかどうかは基本的に面接のみで判断します。決めては何かといったら、一に真面目さ、二にやる気と覚悟、これに尽きます。それがどれだけあるかを基準にして見ます。あとは宮大工という特殊な職人の世界でやっていけそうかどうか、その適性です。・・・(中略)・・・

 やる気と覚悟を見るためにあえて突き放した厳しいことも言います。「宮大工になったって普通の住宅みたいに仕事があるわけじゃない。先々どうなるかわからないし、ある日突然、仕事が全然なくなるかもしれない。それでは彼女がいたって結婚もできやしない。それこそ結婚して子どもでもいたら、どうやって家族食わしていくんだ。早く一人前になって独立したいなんて夢を描いてるかもしれないけれど、そんな甘いもんじゃないぞ」

 その一方で、「やる気と実力さえあれば、いくらでもいい思いもできるよ」と大きな夢も語って聞かせます。「宮大工は、野球の選手や相撲の力士なんかと同じように、実力次第でいくらでも稼げるし、歴史に残るような仕事もできる。千年後の人たちに自分の名前を残すことだってできる。本人の努力次第で名のある棟梁にもなれるし、大きな工務店の経営者にだってなれる。宮大工にはそういう大きな夢があるぞ」

 厳しい現実と夢の迫で、子どもたちの顔には不安や希望の表情が微妙に交差しながら浮かんできます。それを見逃さず、読み取るようにしています。

 

今年も今日から後半戦

 

 早いもので、今年も半分終わってしまいました!

 後半戦の第1日目、大雨洪水警報や土砂災害警戒情報が発令され「記録的豪雨に最大級の警戒を」ということで、休校(家庭学習)の判断をしました。校内は今、ひっそりとしています。

 

 6月26日(水)に、平年に比べて21日も遅い、最も遅い梅雨入りとなったわけですが、いきなり熱帯低気圧の通過による大雨による被害を心配したり、「線状降水帯」という聞き慣れない気象用語を耳にしたりしています。農家にとっては恵みの雨かもしれませんが、安全確保に留意しながら自然とうまく付き合う必要があると痛感します。明日の朝も大雨が予想されています。今日のように、午前6時半までに学校をどうするか判断して学校安全メールで通知する予定です。

 

 ところで、1年の折り返しに当たる昨日6月30日(日)は、「夏越しの祓(なごしのはらえ)」でした。各地の神社では、正月から半年間に知らず知らずにたまったけがれや罪を落とし、その後の半年間を健やかに過ごせるように願って、浅茅(あさじ)で作った大きな茅(ち)の輪をくぐる神事が行われています。この日本神話に基づく祭事、私も久々にしようと思って、昨日の夕方、青井阿蘇神社に行きました。そしたら「うちは7月31日にやっている」とのこと。熊本の神社は、ほとんど旧暦で行っているようです。ちなみに、青井阿蘇神社のHPには次のようにあります。

 

 当神社の夏越祭は、鎌倉時代の至徳3年(1386年)相良7代藩主前頼(さきより)の時代に始まり、一時中断しましたが、室町時代の天文2年(1533年)16代藩主義滋(よししげ)により再興され、現在まで600年以上連綿と続く伝統的神事です。

 

 生徒の皆さんにとっては、茅の輪をくぐると言っても、写真がなければイメージができない人がほとんどだと思います。今度7月31日にお参りに行ければ、写真を添えてまた報告します。

 

 昨日もう一つ残念だったのは、「水無月(みなづき)」という伝統的な和菓子を食べそこなったことです。昨年、京都検定の受験勉強を通して知ったことですが、京都では水無月と呼ぶ、ういろうの上に邪気を祓うあずきをのせた三角形のお菓子を夏越しの祓の日に食べる習慣があります。人吉の和菓子屋さんでも6月30日の限定で販売しているお店があると聞いていたので、神社の帰りに買い求めに行ったら、何と「完売!」とのこと。ということで、こちらも写真を示せず、どのようなお菓子かイメージが湧かないかもしれません。京都検定の公式テキストには「水無月」について以下のような趣旨の説明があります。

 

 昔、宮中では旧暦6月1日に「氷の節句」が行われていました。冬にできた氷を山間の氷室(ひむろ)に貯蔵しておき、そこから取り寄せた氷を口にして夏を健康に過ごせるよう祈るというものです。しかし、庶民にとって氷は高嶺の花。そこで氷をかたどった三角形の生地に厄除けの小豆を散らしたお菓子が作られたのです。「水無月」は庶民の氷へのあこがれからできた銘菓。現在では夏越の祓の日の和菓子として親しまれています。

 

 枕草子には清少納言がかき氷を楽しむ様子が記されています。平安時代の暑気払いなのかもしれません。私、行事食は大切にしたいと常々思っています。皆さんは、水無月、食べたことがありますか?

【校長】