徒然雑記帖

2018年9月の記事一覧

気を揉む台風24号の動き


   いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

熊本地震で被災した阿蘇市車帰(くるまがえり)にある菅原神社の祠(ほこら)の新築工事を伝統建築専攻科の2年生が請け負い、約半年かけて完成、昨日(26日)納品しました。私もその現場に立ち会い、貴重な経験をすることができました。

詳細は専攻科からアップされていたブログのとおりですが、祠を積んだトラックの後ろをつけて、昼過ぎに現場に到着しました。

右の写真では分かりにくいかもしれませんが、道路から設置場所までの通路が意外に狭く、フォークリフトや小型クレーン車を使って難儀しながら少しずつ移動させ、3時半頃やっと設置作業に取りかかることができました。あいにく秋の冷たい雨がぱらつく中での作業になりました。それにもかかわらず、地元の氏子さんたちも20名ほど出て来られ、笑顔で作業の様子を見守っていただきました。ありがとうございました。

ところで、今日は昨日の雨でぬかるんだグラウンドを整地しながら、体育大会の予行があっています。そんな生徒・職員みんなが気を揉んでいるのは天気のことです。遥か南の海を北上中の台風24号が、九州から本州にかけて停滞している秋雨前線を刺激しているようです。大会当日は雨、しかも予備日としている30日(日)は暴風雨のようです。少々の雨でも当初の予定通り29日(土)に実施するか、それとも来週の2日(火)とかに延期するか、難しい判断を迫られています。明日(28日)のお昼には態度決定をしてHP上でお知らせします。

最後に・・・

先週水曜日(9月19日)にアップしていた「サギと三角形の面積」の記事の中で「面積が24になる三角形の3辺がヘロン数として見つかったら教えてください」と書いていましたが、本校電気科の仲嶺先生の御親友から「2組見つかったよ」とメールをいただきました。お知らせいただきありがとうございました。

(a, b, c) (,,10)→面積=24  (,13,15)→面積=24

三辺が500までの自然数について、何とエクセルを使って計算させた結果なんだそうです。

よ~く見るまでもなく、このうち6,8,10は、三平方の定理で有名な辺の比が3:4:5の直角三角形ですよね。私、ピタゴラス数はいつもヘロン数になるという至極当たり前のことを忘れていました。

そして、この(6,8,10)の三角形は、辺の長さの和と面積がいずれも24になります。今とても気を揉んでいる台風も24号と同じ数字でもあり、何か変な縁を感じます。

 ピタゴラス数とは、直角三角形において、三平方の定理 a2 + b2 = c2を成り立たせる自然数の組のことです。よく知られているのは、(,,)(,,)(,12,13)などでしょうか。

このピタゴラス数は、c<100の範囲で次の16個あることが知られているそうです。意外に沢山あることに改めて驚いたところですが、数学の先生だったら「作問に使えるな・・・」と思うかもしれません。

 (,,)(,,)(,12,13)(15,,17)(,24,25)(21,20,29)(,40,41)
(35,12,37)(11,60,61)(45,28,53)(33,56,65)
(13,84,85)(63,16,65)
(55,48,73)(39,80,89)(77,36,85)
(65,72,97)

【校長】


 

 

 

 

 

 

 

サギと三角形の面積

 

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 

先週金曜日から始まった体育大会の練習、3連休を挟んで3日目になる今日は、1年生が午前中体育館で集団演技の練習をしました。いかがでしょうか。練習を通して、少しずつ形が出来上がっていることを実感していますか?

 

ところで、列車通学生の中には気付いている人がいるかもしれませんが、人吉駅からすぐのヒヨドリ越えの登り口付近に1週間程前からサギがいます。羽根を閉じたときうまく身体に密着してないので、怪我をしているのかもしれません。愛嬌のある目で私を見つめますので、「どうしたの?怪我したの?ご飯、食べてる?」とか言いながら少しずつ近づいて距離を詰めています。最初は5m位まで近づくと逃げていたのですが、毎日やっていると顔を覚えたのか、心を許したのか数日前から2m位まで近づくことができています。別にストーカーのつもりはありませんが、何となく嬉しいものです。

 

サギにはいい思い出があります。昔、釣にはまっていた時のことです。川岸で釣をしていたら、サギからずっと背後で待たれていたことがあります。つり上げた魚を貰おうとしているのです。そのような光景、時々新聞写真等で紹介されますので、イメージが湧く方が多いかもしれません。まさか自分がその当事者になるとは・・・! とても光栄でした。

魚を釣っているということをしっかり理解し、辛抱強く待つ様子からは知能の高さが窺えます。サギ君に魚をあげようと、ついつい粘ってしまい、これもまた釣の一つの醍醐味と言ってもいいかもしれないな、とか思ったところでした。鳥は警戒心が強いというのが私の認識でしたので、野生のサギがこんなに人間と接する生き物とは本当に驚きです。

 

古来、日本人とサギは親しい関係だったのかもしれません。それを裏付けることとして、温泉の開湯伝説を思い出します。「日本三古湯」の一つ、愛媛県・道後温泉に伝わる「足に傷を負って苦しんでいた一羽の白鷺が、岩間から噴出する温泉を見つけた」という話を聞いたことがある人は多いはずです。このように歴史ある温泉には開湯伝説があり、そこには鹿や熊などの動物が登場することがあるのですが、一番多いのが「白鷺伝説」なんだそうです。

改めてネットで「温泉 サギ」と入れて検索してみると沢山ヒットし、サギが温泉で脚の傷を治したという話は定番になっていることが窺えます。それにしても、あんな堅そうな脚ではお湯の温かさも感じられないのでは?と思うのですが、血管は通っているはずなので、長く湯に入っていれば多少は体も温まるのかもしれません。私が初任や前任校のころによく通った武雄温泉(佐賀)や天草下田温泉も白鷺伝説があります。人吉市内にも「白鷺の湯」という温泉がありますよね。

 

話は変わりますが、生徒の皆さんはサギを英語で何というか知っていますか?

 

答はheron(ヘロン)です。

 

何と、三角形の3辺の長さから素早く面積を求める公式を発見した古代エジプトの数学者・技術者のヘロンHeron)さんと綴りが一緒です!

2、3年生は数学の教科書の中に見受けた人もいると思いますが、ヘロンの公式を発見した人として有名です。その公式とは、三角形の3辺の長さをabcとしたとき、面積を次の式で求めるものです。

 

三角形の面積=√{s(s-a)(s-b)(s-c)}

ただし、s=(a+b+c)/2

 

私がヘロンの公式を初めて目にしたのは、中学1年生の時でした。図書館から借りた数学史の本の中に見つけました。当時、三角形の面積を求める公式は「(底辺)×(高さ)÷2」しか知らなかった私にとって、3辺の長さからそれを求めることができるというのは大変な驚きで、しかもその公式が遥か2000年も前の紀元前1世紀に発見されていたということを知り衝撃的でもありました。三角関数(三角比)を使わずに中学生でも理解できる証明が載っていて、理解をしようと、もがきまくった覚えがあります。

当時、この公式を使って、あることに挑戦したことも懐かしく思い出します。何かというと、三角形の3辺とも長さが自然数で、かつ面積も自然数となるような3辺を見つけることです。結構時間を費やしたはずですが、結局その当時見つけることができませんでした。随分後になって、そういう三角形は「ヘロン三角形」と名付けられ、3辺の長さの三つ組(abc)をヘロン数と呼ぶことなどを知りました。例えば(13,14,15)はヘロン数(面積は84)です。

 

今朝の7時35分現在の本校の総アクセス数は1159305でした。この数字、各桁の数の総和(1+1+5+9+3+0+5)を求めると何と「24」。

私の名前(西)の擬音語(オノマトペ)の数字表現である「24」と偶然同じです。そして今話題にしている「サギ」の漢字「」も総画数24画です。凄い偶然を感じます。ということで、中学の時に挑戦したことを再びやってみようという気になりました。

即ち、サギにあやかって、面積が24になる三角形の3辺がヘロン数として存在するか見つけようというものです。生徒の皆さん方の体育大会の練習を眺めながら、数時間色々な数字で試してみましたが結局、見つけることができませんでした。

生徒の皆さんで、もし見つかったら教えてください。ただし、存在しないことを証明しようとすると、数学界ではすぐ難問になりますので要注意です。

【校長】