徒然雑記帖

2018年2月の記事一覧

梅と月がいい感じです

今日は午後、ハローワークのコーディネートのもと、地元企業5社をお招きし、「親と子が地域と産業を学ぶ企業説明会」を開催します。本校としては初めての企画になりますが、あいにく高体連70周年記念式典と重なってしまい、学校の責任者として様子を見届けることができないのがとても残念です。

生徒たちの目が地元企業に向くきっかけになればと願っているところです。

 

さて、昨日2月22日はニャンニャンニャンということで「ネコの日」だったらしく、動物愛護団体が様々なイベントを行ったとニュースで報じていました。それを聞きながら、111、222とぞろ目になるのは1月11日と2月22日だけであり、333以降は存在しないわけで、ネコにこじつけるのも面白いと思いましたが、222という数字にもっと関心を持たないといけないと思ったところでした。

 

222を題材にした数学の問題を検索してみたら・・・、ありました!

東京にある某ミッション系私立中学校の平成4年の入試問題に「222の約数は【       】である。」という穴埋め問題が出題されていました。

勿論、222を素因数分解すると、222=2×3×37 ですから、

答えは1,2,3,6,37,74,111,222 になります。

小学生を対象とした中学入試ではちょっと難しいのかな・・・と思いました。

 

話は変わりますが、三寒四温を繰り返して春に向かっていることを実感します。今日はとりわけ日中の日差しが温かく感じます。今朝、通勤途中の道沿いのあるお宅の庭の梅が3分咲きで、思わず写真に収めました。梅の間にうっすら白く見える月はとても趣があるわけですが、梅と月というと、私は条件反射のように平安時代の歌人在原業平(ありわらのなりひら)の和歌を思い出します。

 

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 

わが身ひとつは 元の身にして

 

というものです。あの月は昔と変わったのだろうか。この梅の咲く春の景色は昔と変わっているのだろうか。いや、どちらもあなたと一緒に見上げた美しい月であるし、かぐわしい香りを楽しんだ梅の花である。しかし、あなたがいなくなり一人ぼっちになってしまった今、私の周りのものは何もかも変わってしまった気がする。私だけは元とのままで変わらないのに・・・と、世の無常と手が届かない所に行ってしまった恋人に思いを馳せ嘆いている歌です。何と切ないんでしょう!

今日は上弦の月ですから、日が暮れた頃は南の空高くにあるはずです。今晩眺めてみようと思っています。

【校長】

 

学年末考査が始まっています

学校は本日から学年末考査が始まりました。廊下に出されたカバンや教科書等が凜とした雰囲気を漂わせています。

試験の様子を巡回していたら、出された荷物の中に可愛い小袋が沢山入った紙袋もあり、多分マネージャーが放課後に部員に渡すチョコかな・・・と思ったところでした。

(「学校にお菓子を持ってきてはいけません」とか、無粋なことを言うつもりはありません)

 

あるチョコメーカーが主催する「今どきバレンタイン川柳」のサイト、毎年、面白いと思いながら閲覧しています。今年も世相を反映した楽しく笑える川柳が100句紹介されていました。

 

「俺のチョコ 黙って食う嫁 ちーがーうーだーろー」

 

というのがあり、一番笑えました。某議員が絶叫していた「ちーがーうーだーろー」っていうのは、今や流行語みたいですね。事務室でこの話題をしたら、「うちの娘も家で言っている・・・」と聞き、少しドキドキしました。また、

 

「忖度を 学びなさいよ 義理チョコで」

 

というのも脱帽レベルで面白いと思いました。「忖度」は今年度、本校生が受験した就職試験で、読み仮名をつける問題で出題されていました。国会で口にされなければ、難読漢字のままだったはずなんでしょうが・・・?

 

話は変わりますが、巡回した時、2年生は「数学Ⅱ」の試験で積分の問題と格闘中でした。その応用である面積を求める問題も出題されていたようです。この様子を見て思い出したことがあります。

 

先生:毎日1個のリンゴを食べたら、1週間でいくつのリンゴを食べたことになりますか?

生徒:1日1個のリンゴを7日間食べるので、1×7=7で7個です。

先生:このただのかけ算に見える計算ですが、これ実は積分なんです。月曜日から日曜日までの合計をかけ算を使って積分したんです・・・

 

と、分かりやすく積分の本質を教えてくださった高校の時の数学の先生や、「インテグラルよ永遠なれ」がペンネームだった友達のことです。

あれから40年が経ちました。それぞれどうしてらっしゃるかな・・・と。

 

話は変わりますが、2月10日から12日の3連休の期間中、県のサーバーの調子が悪かったようでHPへのアクセスがなかなかできませんでした。

多分10日(土)の午前中頃だったはずだと予想していますが、アクセス数が「941149」という数字を通り越しています。

 

これ、左から読んでも右から読んでも同じという回文数であることに加えて、1も4も9も平方数(1=1、2=4、3=9)であり、「平方数の回文数」であるということも興味深い数字だな・・・と思っていました。

 

平方数で思い出しました。1~10をそのままの並びで加減乗除等の記号を入れて今年の西暦2018を作ることに格闘したことがあります。その際に、立方数(3乗)を最初に持ってきていたことです。

 

12+4×5×6+78+91+0!=2018

 

中学生の皆さんへ

もう何度も書いていますが、式の中にある""は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、詳しいことは高校の数学で学習します。もし6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して120になります。このようにn!なら、n×(-1)×…×3×2×1の自然数の積を計算します。

式の最後にある0!ですが、0!=1です。これは定義(決め事)ですから「どうしてそうなるの?」なんて考えたらいけません。

 

【校長】

 

ビリビリときて思い出したこと

 立春は過ぎたものの強烈な寒波に震える毎日が続いていますが、いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

 今朝、出勤するとき、山頂に雪をかぶった白髪岳1の7合目付近の山際から眩いばかりに輝く朝陽が上がり、南の空には下弦の月(有明の月)が寒々と残っていて、とても風情がありました。ところが、学校に着いて鍵穴にキーを差し込んだ瞬間、ビリビリと不快な思いをして、いっぺんに現実に引き戻されました。

そんな嫌な静電気に関して、十日ほど前の人吉新聞の「お天気歳時記」の欄に「静電気が発生する条件は、気温15度以下、湿度20%以下といわれている。嫌な静電気を防ぐには、加湿器などで湿度を上げるほか、・・・」とあり、「ガソリンスタンドでは冬でも水をまいて静電気を予防している」と結んでありました。

 
ガソリンスタンドと言えば・・・、機械科の1年生の多くが12月に受検した危険物乙種第4類の結果の通知があり、合格率が芳しいものではなかったと報告を受けたことを思い出しました。自ら高い意識をもって学習する姿勢がまだまだ身についていないのかもしれません。次回は今回の反省を踏まえて、計画をしっかり立てて粘り強く勉強してほしいと願っています。

 
ところで、私自身は高校教師になって機械科で生徒に指導するようになってから危険物の資格を取りました。その勉強をとおして、ガソリンスタンドの店員さんがホースで水をまいている理由は、「静電気対策」2と知りました。
 
しかし、それ以前は、「タイヤが水を巻き上げて車体を汚すので嫌だな・・・」と思いつつも都市伝説のように囁かれていた、「同じ入れるなら昼よりも気温が低い朝入れたほうがお得」というドライバー側の立場に配慮して、水をまいて気化熱でコンクリート面の温度を下げることで少しでもガソリンの温度を下げてくれているものとばかり信じていました。

 
生徒の皆さんはそれがどういうことか分かりますか?

ヒントはガソリンの温度による「体積膨張」です。

物体は温度が上がると膨らんで体積が膨張します。ガソリンの体積は、1℃上昇すると0.00135倍膨張します。この数字を「体膨張率」と呼び、物質によって固有の値をとります。

この値を使うと、例えば冬10℃の気温で50リッターのガソリンが、夏30℃の気温で何リッターになるかが計算できます。具体的には次の公式になります。

体膨張率 × 元の体積 × 温度差 = 増加する体積

 
代入してみます。

  0.00135
× 50リッター ×(30-10℃)= 1.35リッター

 何と、ペットボトル2本分以上に相当する1.35リッターも膨張し、温度上昇後は51.35リッターになるのです。
3

ご存じのとおり、このところガソリンはリッター当たり140円台前半と、以前に比べ高めの価格で推移していますが、仮に140円とすれば1.35リッター分は140×1.35 =189円相当になります。たいした金額です。

ここでしっかり考えないといけないのは、冬10℃のとき給油するのと夏30℃のときとでは、どちらが189円相当分ドライバーにとってお特なのかということです。

 
さっそく考えてみましょう。ただし前提として、50リッターが公称のクルマのガソリンタンクは50リッターできっちりで満タンではなく、幾分余裕4(ここでは51.35リッター分)があるものとします。

また、スタンド地下のガソリンタンク内のガソリンの温度と外気温及び給油ポンプの流量計通過時、並びに車のガソリンタンクからエンジンに入るまでのガソリンの温度は全て同じであるとします。

 
ドライバー側の立場です。

冬に50リッター入れて夏まで乗らないとすれば、夏には51.35リッターになっているわけですから、ドライバーは1.35リッター(189円相当)得したことになるのでは?

夏まで乗らないというのは、朝温度が低いときに入れて、昼に温度が高くなってから走るということとイメージ的には同じで、ドライバーにとっては給油時の温度が低いほうがいいと思われます。

 さて、生徒の皆さん、この考えをどう思いますか?

私は特に問題ないような気がするのですが・・・。

 
勿論、エンジンに詳しい人は、ガソリンが燃焼するとき、温度が高いときに膨張したガソリンではノッキングが発生しやすくなり、つまり燃焼効率が悪化し、結果的に燃費が悪くなるからプラスマイナスゼロなのでは・・・?とか考え始める人もいるかもしれません。そういう厳密な議論は、今日は保留にしておきます。

 
ということで、少しでも温度が低いときにガソリンを入れるほうが、「ドライバーにとってお得なのでは?」と思っていたということです。

 
しかし、実際のところ、スタンドのコンクリート面に水をまくことで地下にあるガソリンタンクの温度が下がるというのは、あまり考えにくいことで、あってもほんの数℃位なのではと思います。ですから、夏でも冬でもまた、朝でも昼でもその温度差の影響を受けることはほとんどないのかもしれません。最近の給油ポンプの流量計には「温度補正機能」がついていると聞いたこともあるので、その場合は温度差のことは完全に無視できるのかもしれません。

 
実際のところはどうなのかと、ネット上でも色々探してみましたが、現在のところ明確に正解と分かる情報を記載した信頼できるサイトは見つけることができていません。ということで、ここでは「静電気対策」ということで整理したいと思います。
 最後に・・・、色々調べている中でガソリン給油機は±0.3%~0.5%程度の誤差があるということが分かりました。1000円分給油して3~5円に相当します。得しているのでしょうか、それとも損しているのでしょうか?

      【校長】

1  この白髪岳(しらがたけ)、冬場に麓の人吉盆地から眺めると山頂が雪に覆われていて白髪のご老人の頭のように見えることから、その名がついたらしいです。標高を調べてみたら、1416.7mで、九州中央山地では一番南にある最高峰の山みたいです(一つ北よりの市房山は1721m)。

地元で愛飲されている米焼酎「白岳」(高橋酒造)の名前の由来について、この白髪岳から「我」をはらぬよう「が(=我)」を取り除き、『白岳(はくたけ)』と呼ぶようにしたと、蔵巡りで球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵を訪れたときに説明を受けました。

*2  水をまいて湿度を高めると物体表面の水分を通して静電気が逃げ、静電気が蓄積しません。

「静電気は乾燥した季節や場所に発生しやすく蓄積されやすい」「夏季、人体に帯電しにくいのは、汗や湿気を通して静電気が地面等に漏れているからである」と危険物取扱者受検教本に書いてありました。

気温が氷点下40 度でも気化するガソリン、それを日々大量に扱うスタンドは給油口などから気化したガソリンが高濃度で漂っている環境にあり、静電気による火花放電が発生すると、それが着火源となり火災や爆発事故が発生することがあります。実際、つい最近も他県でしたが、女性ドライバーがセルフ式のガソリンスタンドで給油しようと給油キャップを開けた瞬間に給油口から突然発火して、髪が焼け顔に火傷(やけど)を負ったというニュースを耳にしました。

「静電気除去パッド(右写真)に触れてからキャップを開けてください」との音声ガイダンスに従ってなかったのかもしれません。静電気がたまりにくい帯電防止用の制服を着用している店員さんは別として、きちんと手順に従わなければならないと肝に銘じたところでした。

しかし、今思えば、セルフのガソリンスタンドは水まきをしている光景を見たことがないような気がします。それは「静電気除去パッド」を設置し、ドライバー自身にそれに触れる努力義務を負わせているからかな・・・と思ったところです。

*3  ガソリンが凄く膨張することに改めて驚かされます。実際、ガソリンの体膨張率は水の16倍もあります。

4  ガソリン等を容器に収納するとき、上部に空間容積を必要する理由は、収納されている液体の体膨張による体積の増加で容器が破損するのを防ぐためです。