徒然雑記帖

2017年10月の記事一覧

祝 総アクセス数800000件達成

秋冷の頃、いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

800000とは、本日10月22日(日)午前8時9分現在の本校のHPの総アクセス件数です。

 とても感慨深いものを感じながら、素因数分解をしてみました。


   800000
=2×5

従って、その約数は、1, 2, 4, 5, 8, 10, 16, 20, 25, 32, 40, 50, 64, 80, 100, 125, 128, 160, 200, 250, 256, 320, 400, 500, 625, 640, 800, 1000, 1250, 1280, 1600, 2000,  ・・・・(途中略)・・・・, 100000, 160000, 200000, 400000, 800000  の54個あることになります。


 このような綺麗な数字をみると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れ、意味のある数字を作ってみたくもなります。今回はこの記念すべき80万件を達成した本日、10月22日の「1022」という数字に挑戦してみます。

(8!!!!)(0!+0!)+0-0!-0!=1022 → 10月22日

  
【注】 中学生の皆さんへ。もう何度も説明していますが、”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読み、
              例えば5!なら、5×4×3×2×1を計算して120になります。そして、0!= 1というのも
              知っておく必要があります。これは定義(決めごと)です。


 そういうことで、指数部の(0!+0!)=2という所は大丈夫だと思います。問題は基数部にある”!!!!”です。この「4重階乗」については、8月2日の記事の中で一度解説していますが、このような「多重階乗」は、高校の数学の範囲を超えますので、「2重階乗(ダブルファクトリアル)」や「3重階乗(トリプルファクトリアル)」から順を追ってもう一度おさらいをしておきます。決して難しいものではありません。ついて来てください。


      ・まず通常の階乗です。8を例にとってやってみます。

8!=8×7×6×5×4×3×2×1=40320


      ・これに対して、2重階乗(!!)は階乗の1つ飛ばしバージョンと考えてください。

n!!なら、n×(-2)×(-4)×・・・×・・・というように、2つずつ減らしながら掛け合わせます。nが偶数だと×4×2で終わりますが、nが奇数だと最後は1で終わることになります。

従って、 8!!=8×6×4×2=384 となります。


・3重階乗は階乗の2つ飛ばしバージョンです。n!!!なら、n×(-3)×(-6)×・・・ということです。最後は最小自然数まで掛けることになります。

   従って、 8!!!=8×5×2=80 となります。


・もう大丈夫と思います。今日出てきた「4重階乗」は階乗の3つ飛ばしバージョンです。これも最後は最小自然数まで掛けます。

従って、 8!!!!=8×4=32 になります。大丈夫でしょうか?


      結局、今日の式は、32
+0-1-1=1022ということの大袈裟な表現です。

無(0)から有(1)を作り出すのに、定義とはいえ0!=1というのは重宝します。その他、高校程度ではcos0=1というのもあります。

現在、1日当たり平均して1260件のアクセスを頂いていますので、この調子で順調に推移すれば、次の900000万件を更新するまでの約2ヶ月間、カウンタの数字の頭に『8』が付くことになります。

この『8』という数字、漢字にすると「八」だから富士山みたいに末広がりの形をしています。また、横に傾けると『∞』(無限大:infinity:インフィニティ)の形になります。クルマの希望ナンバー制度で、8を入れ込む人が多いというのも納得できます。そういえば、巨人にいた原辰徳選手も背番号8番(監督になったら88)でした。


 ところで、生徒の皆さんはこの
800000という数字で何か思いつくことはありませんか?

私も色々と思い出してみましたが、一つだけ思い付きました。昔、課題研究の授業で生徒を引率して花火工場に見学に行った時のことです。

花火師の方から色々と説明を受ける中で、花火の値段にも話題が及びました。花火大会の締め括りに使われることが多い大輪の花(開花すると直径450m)を咲かせる2尺玉(20号玉)の値段を80万円と伺い、「そんなにするの・・・、費用対効果は取れるのだろうか?」と大変驚きました。

昨夜は八代で花火大会があっていました。雨が降っていたので、私は自宅でインターネットのライブ中継で途中まで楽しみましたが、あまり迫力は伝わりませんでした。生徒の皆さんは八代まで出向いた人もいたかもしれません。最後に打ち上がった花火はいかがだったでしょうか。

                         【校長】

 

掃除の生徒が気付いたあるモノ

10日ほど前でした。校長室に掃除に来る機械科3年の某君が私のデスクの上に載っているある文房具に気付いて困惑気味の表情を浮かべていました。その様子を見て、「よく見抜いてくれた!」と心の中で思わず拍手喝采をしました。

その文房具、「素数ものさし」というものです。右の写真のように、目盛りが素数だけ(センチの目盛りは2357111317の素数のみ、ミリ単位の目盛りも素数のみ)が刻まれた竹製(全長18センチ)物差しです。

今から4年前(平成25年)、京都大学の生協(生活協同組合)で「京大限定グッズ」の一つとして販売され、大変な注目を集めた文房具ですから耳にしたことがある人がいるかもしれません。当時の短文投稿サイト「ツイッター」で、「姪(めい)に入学祝いであげよう」、「これめちゃ使いにくい」・・・と話題をよんでいたのを見て、ワサ者の私はすぐに関西方面に出張した同僚に頼んで買ってきてもらいました。(ちなみに、値段も577円で素数でした)

理系の人を対象にしたグッズでしょうが、不便な道具で測らせるという発想が自虐的で、面白い逸品と思っています。


 この物差しを紹介した新聞記事によると、開発に携わった京大の研究者らは、「あえて不便な物に接することで、人は自分の頭で何とか便利に使おうと考えるもの・・・」とありました。皆さん、これを使ってどう長さを測定すると思いますか?
  
      


 
 








 「素数ものさし」は「素数の長さ」しか測れないのかと一瞬思ってしまいますが、そうでもありません。例えば4cmの長さの線を引きたい場合には「37」の間を使えばいいわけです。こう考えると、以下のように一応17cmまでの整数(cm)は全部測ることができます。

1cm23の間、4cm37の間、6cm713の間、

8cm513の間、9cm211の間、10cm313の間

12cm517の間、14cm317の間、15cm217の間

16cm→(319の間、と思ったら19がありません。そこで、17cmをまず測って、23の間で取った1cmぶんだけ短くするという手を使うしかないと思っています)


 ということで、この物差し、小学生の頭の体操に使えそうです。実際、京都府内の小学校でこれを授業の教材として活用している学校があると聞きました。色々な意味で不便益なこのしろもの、今の人類が滅びて、次の知的生命体がこれを発見したときのリアクションがとても気になります。


   「素数」関連の話をもう一つ。

今日2017年10月17日は、今月唯一の素数日(20171017のように、日付を8桁で表すと素数になる日)です! 

ちなみに、ネット上の素数判定機を使って調べた2017年の素数日は次のとおりでした。


  20170121
20170219201702232017030120170303

2017033120170421201705112017051920170607

2017062720170807201708312017090120170903

20171017201711012017120120171219


 1年365日のうち19日(出現率5%)、これは高いのか低いのか?


 話は全く関係ありませんが、明日から中間考査です。生徒の皆さん、勉強頑張ってください。

      【校長】

美術のティーム・ティーチング


 
 3連休明けの学校、今日はどのような授業が展開されているかと、校内を回っていたら、美術室で粘土工作をしている光景が目にとまりました。何を作っているのだろうと、中にお邪魔しました。



 


 
 

「張り子でmy縁起物をつくろう」という授業でした。美術の高木先生によると、「粘土で型を作成→和紙を貼る→切り込みを入れて型を抜く→その傷を塞ぐ→着色」といった工程で製作するのだそうです。





 

 縁起物というと、招きネコやフクロウ、沖縄のシーサーなどの置物などが思いつきます。生徒の皆さん達はみんな思い思いに粘土をこねて型を作っていましたが、果たしてどのようなものを作っていたのか・・・?



 上の写真は制作者の許可を得て撮ったものです。セーラームーン?


本校と錦町立錦中学校とは、昨年度から英語と美術で中高連携を行っています。今日の美術の授業は、同中学校から美術の明瀬先生をお迎えして、ティーム・ティーチングで行われていました。ある生徒は「幼稚園の時を思い出します」とか言っていましたが、中学校の先生とも和やかに談笑しながら、みんな実に楽しそうな表情を浮かべていました。

メンタル的にもとてもよさそうなので、自分もこういう時間を持ちたいな・・・とか思ってしまいました。


 この記事を書きながら、「縁起物」って英語で何と表現するのかも気になり、辞書を調べてみたら、lucky charmとありました。"lucky"(幸運の)と "charm”(人を魅了する小物)、なるほどと思った次第です。


 話は変わりますが、昨日、青井さんのおくんち祭りで、神輿を担ぐ生徒と一緒に市内を練り歩きました。ふと、郵便局に掲示してあったある広告が目にとまり、視線を向けたら「お年玉付き年賀はがきの販売が11月1日(水)から始まる」とありました。

10日前に月が変わった日、「今年もあと3ヶ月、残り少なくなったな・・・」とは思いましたが、「年賀はがき」という文字を見て一層その思いを募らせたところでした。

        【校長】

総アクセス数777777 → 月に祈りを

いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。


 777777
とは、今朝9時12分現在の総アクセス数です。

前回のぞろ目である666666を達成したのは、7月10日(月)でしたので、1日当たり平均1292件のアクセス数をいただきながら、86日間で111111件を積み上げたことになります。


 ところで、
777777という数字の並びは、ラッキー7のぞろ目ということで、妙に惹きたてられるものがあります。手始めに素因数分解をしてみました。

7777773 72 11 13 37 


 従って、約数は1, 3, 7, 11, 13, 21, 33, 37, 39, 49, 77, 91, 111, 143, 147, 231,  ・・・・・(途中省略)・・・・・, 37037, 59829, 70707, 111111, 259259,
777777  48個あることになります。

こういう綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくもなります。

どういう数字を作ろうかと悩みましたが、今日10月4日は十五夜です。まあるいお様(本当の満月は明後日10月6日らしいです。右の写真はスマホで撮ったほぼ一月前の同じ月齢の月です)に祈りを込めることができるよう104という数字を作ってみることにします。

(7+7)7+7-7÷7=104


 ということで、今日は加減乗除の演算記号を全て使ってとてもシンプルに仕上がりました。

7を使ったとても有名で面白い計算があります。知っている人がいるかもしれませんが、ご紹介します。


 7
77712

7777777123

777777777771234

777777777777777712345

7777777777777777777777123456


 いかがでしょうか。電卓を叩いて確かめてみるのも一興ですし、なぜそうなるのか考えてみるのも面白いと思います。ただし、本格的に証明しようとすると、等比数列の和の公式(本校では学習しないそうです)を知らないと難しいかもしれません。


 話は大きく変わりますが、生徒の皆さん方は財布の中にあるお札(日本銀行券)をまじまじと見たことがありますか。全てのお札には左上と右下に同一の6桁の発券番号が割り振ってあるのはご存知のとおりです。その数字の並びに気をつけていると、思わぬお宝を発見できる可能性があります。お札のコレクターは意外に多く、オークションなどでも高値で取引されている現実があるからです。

発券番号がぞろ目になっていたり、キリの良い数字になっていたりするとプレミア(付加価値)がつくことがあり、いきなりお宝になります。

ぞろ目の紙幣で一番人気があるのは、今日取り上げた数字、即ち「777777」のお札だと言われています。買い物などで普通に使用すればただの1,000円札だとしても、コレクターたちの間では利用額の数十倍の価値がつくことがあるので、普段お札の数字を気にしていなかった人は、ぞろ目のお札がないかどうか確かめてみてはいかがでしょう。

            【校長】

二次関数の頂点の座標

いつも本校のホームページにお越しいただきありがとうございます。

体育大会が成功裏に終わり、その余韻を味わう間もなく月が変わり、今年度後半の授業は雨の中始まりました。廊下越しでしたが、生徒の皆さんは真剣に授業に集中しているように見受けました。

1年生の数学の授業では、二次関数の平行移動の問題をやっていました。

放物線を平行移動したとき、移動前と後とで「どの点とどの点が対応しているか」を見るのは難しいです。しかし、1点だけわかりやすい点があるんですよね。頂点です。頂点は、谷の底か山の頂上なので、平行移動してもどのように移動したかがわかるわけです。ということで、頂点に着目して計算するわけですが、そのためには、平方完成して頂点の座標を出さなければなりません。

平方完成ってややこしいですよね。

xを含む項だけ、x2の係数でくくる

xの係数の半分の2乗を足して引く

③ (最初の3つの項を)因数分解する

④ 分配法則を用いる

⑤ 定数項を計算する

自分が高校生のときも、①~⑤の一連の計算に辟易(へきえき)していたことを思い出します。生徒の皆さん方はそんなことはありませんか?

こういう計算の訓練は、今思えば理科の実験は勿論、掃除や料理など決まった順序で作業をしなければならないときの基礎基本の力を養っているのかもしれませんが、当時、私は平方完成が面倒くさかったので、頂点の座標を公式を使って一発で求めていました。

yax2+bx+cの頂点の座標は-b/2a-(b2-4ac)/4aなんですよね。

なぜそうなるか・・・、大丈夫だとは思いますが、上記①~⑤に沿って導いておきます

yax2+bx+c

a(x2+b/ax)+c             

a(x2+b/ax+b2/4a2 -b2/4a2)+c    

a{(x+b/2a)2-b2/4a2}+c                   

a(x+b/2a)2-b2/4a+c                

a(x+b/2a)2+(-(b2-4ac)/4a)        


 この頂点の座標、ごちゃごちゃしていてかえって覚えにくいと感じるかもしれませんが、「二次方程式の解の公式」と似ているので、慣れれば何ということはありません。何と言っても平方完成するときよりも時間を短縮できるので、覚える価値は高いと思っています。

例えば、今午前10時47分現在の本校の総アクセス数は 774791 です。偶然にも6桁目と3桁目が7という同じ数字ですから閃きました。

上3桁の774と下3桁の791を、それぞれ二次関数のa,b,cに当てはめてると次のように2つの関数ができます。(ここでは、変化をつけるために偶数は-(マイナス)、奇数は+(プラス)とします)


    y=7x2+x-4 ・・・①     y=7x2+x+1 ・・・②


    二次関数②のグラフ(放物線)は、関数①のグラフをどれだけ平行移動したかを求めてみましょう。


    ①の頂点は
-b/2a-(b2-4ac)/4aの公式により、(-1/2, -23/4

②の頂点も同様に(-9/14, -53/28)となりますので、

(-9/14)-( -1/2), ( -53/28-(-23/4))=(-1/7, 27/7

ということで、②は①をx軸方向に-1/7,y軸方向に27/7だけ平行移動したということになります。(位置的には若干左上に移動しています)


   ところで、「二次方程式の解の公式」で思い出しました。「2a分のマイナスb プラスマイナス ルートb2乗マイナス4ac」というあれです。

私は中学3年生の頃習いましたし、今も中学校で習っているようですが、一時期、中学校では習わずに高校で学習していた時がありました。この事実、信じられますか? 

このことについては、次のような有名な経緯(いきさつ)があります。

作家の曽野綾子1さんが「私は二次方程式もろくにできなかったけど、65歳になる今日まで全く不自由しなかった。二次方程式は社会に出て何の役にも立たないので、こんなものは追放すべきだ」といった趣旨のことを公言されていました。たまたまその頃、ご主人で同じく作家の三浦朱門氏(文化庁長官等も歴任し今年2月ご逝去)が文部科学省の教育課程審議会の会長を務めておられ、奥様の発言に沿った主張をされたのか?、この発言から1年ほどたった平成10年の6月に出された審議のまとめに反映され、平成10年12月に告示され平成14年度から施行された学習指導要領から「二次方程式の解の公式」は中学数学から姿を消し、高校の数学に移行されたのです。

その学習指導要領では、小学校の算数での円周率等の小数点以下の削除も行われ(円周率を32で計算しても構わない)、「ゆとり教育」(文部科学省はこの言葉を正式には認めていませんが・・・)という言葉が話題になりました。

学力低下の反省にたち、平成24年度から年次進行で始まった現行の新学習指導要領で、中学校で指導するように復活したわけです。夫婦の睦言が国の教育の屋台骨である学習指導要領まで影響したとすれば驚くべきことかもしれません?会議のトップである会長に誰を据えるかという人選は難しいということをつくづく考えさせられます。

そういう昔のことを思い出しながら廊下越しに見た数学の授業でした。

【校長】



1
曽野 綾子(その あやこ:1931年(昭和6年)~)は、東京出身の作家。「曾野」と表記されることもあります。本校の図書館には、石狩峠、積木の箱、氷点(上・下)など8冊ほど揃っているようです。



2
東京大学の平成15年度の理系の入試問題の中に、「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という入試問題が出題され、稀代(きたい)の名問と話題になりました。これは、その前年度(平成14年度)から実施された小学校学習指導要領の中で「円周率は3で計算させてよい」ということになった「事件」に対する東大らしいアンチテーゼと言われています。

この問題は円周率とは何か、即ち「円周率とは円周と直径の長さの比」であるということを分かっていなければ解けません。証明に挑戦してみますか?

ただし、余弦定理(本校では1年生の終わりに数学Ⅰで学習します)を習っていないと難しいので、中学生には無理かもしれません?