徒然雑記帖

2017年4月の記事一覧

575770 → 今は春べと 咲くやこの花♪

本日4月20日、午前9時37分現在のアクセス件数は、575770 

 


最初の5桁、57577とは勿論、日本古来の三十一文字(みそひともじ)である和歌のことです。その後の0をどう解釈(こじづけるか)で悩みました。

0番目と捉えると、百人一首競技大会などで試合開始を告げる歌と考えてもいいのかな・・・と思いました。その歌は、百人一首には収められていませんが、スポーツの試合で開始を告げるホイッスルのように、百人一首競技の開始前に必ず詠まれるこの歌です。1

 

難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花

 

【現代語訳】難波津(なにはづ)に、咲いたよこの花が。冬の間は籠っていて、今はもう春になったというわけで、咲いたよこの花が。

 

【解説】難波津とは、難波の港。難波は大阪市及びその付近の古称。第16代仁徳天皇2が高津宮を置いた所です。この歌は、仁徳天皇が即位される時に、朝鮮(百済)からの渡来人の王仁博士(わにはかせ:生没年未詳)が、梅の花に添えて歌ったとされる歌です。陛下の治世が末永く続きますようにという願いを込めた、今でいう「君が代」みたいな祝福の歌です。

 

技巧などなく、見たままを素直に歌った和歌です。皆さん、実際に花が咲き乱れる様が目に浮かびますか?そういうことで、試合の開始時など印象的な場面で詠まれると、華やかな雰囲気が醸し出されますし、そういう効果を狙って詠まれているのかもしれません。

数年前、広瀬すずさんが主演して話題になった競技カルタの映画「ちはやふる」でもこの歌が詠まれるシーンが何度も出てきましたので、そう言えば・・・と記憶にある人もいるはずです。

 

日本が世界に誇る文化遺産ともいえる百人一首、小中学校でいくつか覚えたことがある人も多いことでしょうが、その成立事情は知っていますか?

平安末期~鎌倉初期の大歌人である藤原定家(ていかorさだいえ:11621241)が、友人から「100首の和歌を色紙にしてふすまに飾りたい。いい歌チョイスしてよ!」と頼まれ、飛鳥時代の第38代天智天皇から鎌倉時代の第84代順徳院まで、およそ450年間の中から100人の歌人の優れた和歌を一首ずつセレクトしたものです。まさに「藤原定家セレクション」といったところです。(このような異なる作者による詩文などの作品を集めたものを「アンソロジー(anthology)」と言いますが、これ、覚えておきたい言葉です)

文暦2年(1235年)の5月27日に、百人一首を完成させて、小倉山荘の障子に書写した和歌百首を貼ったという記録が、明月記(定家がつけていた日記)に残っていることから、5月27日は「百人一首の日」とされています。

今、巷(ちまた)では、俳句や川柳がとても盛んです。「良い句」と読める4月19日(昨日です!)や、5,7の並びにかこつけた5月7日に、年に1度の句会や総会などを行い、会員の親睦を深めている団体が多いようです。それにしても、575770とは、何とも堂々とした数字!これが達成された日は、和歌を話題にするしかないと考えていました。

実は・・・、4月当初の1日当たりの平均アクセス件数700件から見積もって、「百人一首の日」である5月27日前後にアクセス件数が575770になるのではという淡い期待のもと、この記事の構想を考えていました。そしたら、4月第2週目あたりから1日当たり1,500件とか2,000件、昨日などは4,000件を超えるアクセスを頂く日が続き、予想が大きく外れて早まってしまい、嬉しい悲鳴というか、ちょっと慌てて記事を作ったところでした。

 

ところで、定家の時代から900年近い歳月が流れ、三十一文字を現代では短歌と呼ぶようになり、歌の詠みぶりは随分変わってしまいました。私は初任校(高校教師になって一番最初に勤めた学校)で百人一首部の顧問を担当したことが縁で、すっかり和歌のとりこになってしまったのですが、和歌の普遍性についてつくづく考えることがあります。

一つは、歌は喜びを高らかに歌い上げることも多々ありますが、かなしみの器(うつわ)として用いられることが多いということです。そしてもう一つは、かなしむ人を美しいと思う日本人の感性です。歌の中に秘められた思いを想像し、共感して涙をもよおす心、これは感性がなせるものでしょうが、これもまた美しいと思っています。

 

手元のシラバスによると、本校では2年生の3学期の2月頃に国語(国語総合)で百人一首を学習するようです。「和歌」は古文ですから、現代に生きる私たちにはとっつきにくいところがあるのは否めません。でも考えてみてください。わずか三十一文字ですが、その中にあらゆる感情を打ち込んでくる力業ですので、そこに含まれる情報量はもの凄く多いです。ちょっと気のきいた人なら一つの和歌を題材にして小説がかけてしまう位の情報量といってもいいと思います。一つ一つが短編小説と言ってすら過言でありません。歌の中に秘められた思いを想像するうちに、好きな1首に出会えるように願っているところです。百人一首の授業をどうぞお楽しみに!

そして・・・、本校の三綱領の中に「好学」というのがあります。和歌と短歌の違い、俳句と川柳の違いなども、ぜひ興味をもって調べて知的好奇心を満たしてもらえればなお嬉しいです。          【校長】

 

1競技百人一首では、競技のはじめに「序歌」という百首のいずれにも属さない特別枠の歌を詠みます。地方によって何の歌を詠むかは色々ありますが、競技百人一首の段位や公式ルールを仕切っている全日本かるた協会は、この「難波津の歌」を序歌に定めています。

 

2仁徳天皇は、歴史上まれに見るほど、徳のある君主であり、その治世は何と87年間も続いたと「日本書紀」に記されています。特に、「かまどの煙」の逸話が有名です。

ある時仁徳天皇が高台から、民の家々を見ておられました。

しかし、かまどから煙が上がっている家がありませんでした。民が貧しい証拠です。

「これは租税が高すぎるのじゃ」

仁徳天皇は、3年間租税の徴収をやめ、労役を課すことをやめ、その間は宮殿の茅葺(かやぶき)も葺(ふ)きなおさず、雨漏りがしてもたらいで受けて、しのがれました。

3年後、ふたたび高台にのぼった仁徳天皇は、家々から元気よく煙が立ち上っているのを目にされます。「これでよし!」こうして3年ぶりに租税と労役をもとに戻しました。

このように徳の高い天皇のもとで国は栄えたということです。よって仁徳天皇のことを「聖帝(ひじりのみかど)」と呼ぶこともあります。「難波津の歌」は、そんな徳の高い仁徳天皇の御世が末永く続きますようにと、祝福をこめた寿(ことほ)ぎの歌です。

ところで、仁徳天皇のお墓を知っていますか?私が小学生の頃、大阪府堺市にある右の写真の前方後円墳を「仁徳天皇陵」と習いました。今は、そうでないようですね。

堺市には3つの天皇陵が存在します。埋葬されている埴輪をよく調べてみたところ、学術上ここが仁徳天皇陵であると確定することは不可能であることにより、堺市大仙町に所在する古墳ということで、「大仙陵古墳」と称されているようです。自宅にあった「もう一度読む山川日本史」には、この古墳について「大仙陵古墳(伝仁徳陵)」と表記され、職員室にあった山川出版社の「高校日本史B」の教科書では、「大仙陵古墳(仁徳天皇陵)」と記載されていました。新しい史実に基づいて教科書が書き換えられるのはこれまでもあった話です。でもこの写真はきっと脳裏に焼き付いていることでしょう。

日本全国に20万基(古墳は1基、2基・・・と数えます)以上はあるといわれる古墳のなかで、日本最大の古墳であり、エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓の一つに数えられています。上から見ると円と四角を合体させた前方後円墳という日本独自の形で、5世紀中ごろに約20年をかけて築造されたと推定されているようです。

労役を課すことを中止するほど徳のある仁徳天皇が、そんなに歳月がかかる土木工事を民にさせたとは・・・と突っ込みを入れたくなる人もきっといるのでは?

 

565656とは何とまぁ!

 4月1日(土)、午後分前の本校       

HPのアクセス件数は565656でした。

  これを確認した時のスマホの右上に表示されていた電池残量が65%、丁度、おでん用に卵を個茹でていた最中でした。この朱書きの数字を横に並べても565656、何という偶然だろうと思ってしまいました。

 花に花言葉があるように、数字にも意味があると昔から信じられています。それによると、5には「変化が訪れる」、6には「富をもたらす」という暗示があり、その2つが組み合わさった56は「変化によって恩恵を授かる」と解されているようです。この56が3回順番に現れるとは、何とおめでたいことだろうと思い、この565656に関して、56に関する思い出を3つ綴ってみたいと思います。

 

ぱっと思いつくのは、本校が来年、創立56年目であるということ、第二次世界大戦の指導者だった山本五十六連合艦隊司令長官(「いそろく」:お父様が56歳だったときの子、「苦しいこともあるだろう/言いたいこともあるだろう/・・・の「男の修行」の名言で有名)、雷おこしの製作体験学習で、昔、修学旅行の時に引率したことがある東京浅草の雷5656会館、「シゴロク」や「高原のポニー」の愛称で親しまれたC56形蒸気機関車などです。

また、昭和56年(1981年)という切り口だったら、私が大学4年生の時でしたので、トヨタが高級スポーツ車「ソアラ」を販売してブームになったことや、ダイアナ妃がチャールズ王子と結婚したこと、作家の向田邦子さんが台湾で起こった航空機墜落事故で亡くなったことなど、当時の思い出に重ねながらいくつかはすぐに思きます。しかし、いずれも生徒の皆さんたちには生まれる前のことで関係ありませんよね。

そこで今日は、各クラスに配布されているシラバスを見ながら、皆さん方が高校3年間に学習することに関連付けて考えることにします。

 

最初の56です。2年生の国語総合で5月頃学習する「伊勢物語」に関連付けました。その心は、伊勢物語は第56代清和天皇(在位:946967)の御代(みよ)の出来事だからです。まずクイズを1問。

 

 千早(ちはや)ぶる 神代(かみよ)もきかず 龍田川(たつたがは)

   からくれなゐに 水くくるとは

 

多分耳にしたことがある和歌だと思います。これは古今集に収録されており、百人一首にも採られ、数年前に公開されてヒットした競技かるたに青春を懸ける高校生の物語「ちはやふる」のタイトルにもなった超有名な歌です。現代語訳は不要でしょう。さて、誰の歌でしょう?

平安時代一のプレイボーイと名高く、光源氏のモデルの一人と言われ、「伊勢物語」の主人公のモデルとも考えられている人物…、そうです。在原業平(ありわらのなりひら)です。業平には清和天皇に関連してこんな悲恋があります。

清和天皇の后(きさき)となったのは藤原高子(たかいこ)。彼女は、清和天皇が17歳の時、25歳で入内(今でいう婚姻)し、貞明親王(後の陽成天皇)を産みました。高子は入内する前、業平と恋愛関係にあり、言うまでもなく高子の一族によって強引に別れさせられました。悲嘆に暮れる業平は、こんな歌を詠んでいます。

 

月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ  わが身ひとつは 元の身にして

 

【現代語訳】あの月は昔と変わったのだろうか。この梅の咲く春の景色は昔と変わっているのだろうか。いや、どちらもあなたと一緒に見上げた美しい月であるし、かぐわしい香りを楽しんだ梅の花である。しかし、あなたがいなくなり一人ぼっちになってしまった今、私の周りのものは何もかも変わってしまった気がする。私だけは元とのままで変わらないのに・・・

 

世の無常と手が届かない所に行ってしまった恋人に思いを馳せ、嘆いている歌ですが、日本和歌界に燦然と輝く最高傑作とも称され、外国の日本文学研究者によって他言語に翻訳されている数が最も多い和歌なんだそうです。

 

伊勢物語は全部で125段ですから、薄い文庫本1冊程度です。一話一話も短く、簡潔です。どこから読んでもいいし、読み飛ばしてもいいので疲れません。その意味で古典に親しむ入口として最適です。それでいて、深い内容があり、とても面白いです。何が、面白いのか?何と言っても、歌がいいです。現代人と変わらぬ喜怒哀楽を詠んでいますので、「この気持ち、わかるなぁ」と共感できる歌が必ず見つかるはずです。詠んでいる歌は、男女の恋愛、男同士の友情、親子の情愛、年を取ること、愛する人の死、旅の情緒など実に多彩です。ちなみに、先ほど紹介した「ちはやぶる」は第106段に、「月やあらぬ」は第4段にあります。1,2年生の皆さん、伊勢物語の学習、楽しみにしておいてください。

 

 次の56は、3年生の数学Ⅱで就職試験対策として学習する場合の数(順列・組合せ:本来これらは数学Aで学習する内容です)に出てくるの計算結果です。実は、などは、本校入学後の6月に全科とも受験する計算技術検定の中でも出てきます。しかしその時は「詳しいことは数学で学ぶから、今は電卓操作だけできるようになりなさい!」などと言われ、意味は分からず、ひたすらキーを叩くことだけに没頭することになります。

とは、8人の中から3人選ぶとき、何通りあるかということを計算する式で「Cの8,3」とか「コンビネーション8の3」とか読み、次の計算をします。

(8×7×6)/(3×2×1)56通り

 

一般的には、n個の異なるものから順序を考えずにr個取り出す選び方をn個からr個取る「組合せ」といい、その総数をnCrであらわします。Cは組合せを意味するCombination(コンビネーション)の頭文字で、次の計算をします。

nCrn!/(r!(n-r)!)になります。

(ここでn!=n(n-1)(n-2)・・・・・1です)

 

 nとrの選び方で色々な計算結果が得られるわけですが、なぜ結果が56になるを取り上げたかというと、その心は・・・。

昔、担任をしている時、「明日数学のテストというのに、数学の先生が帰っていて質問できません。先生、教えてくれませんか?」と言いながら、生徒が機械科の職員室に質問に来ました。見れば「男子3人、女子5人の中から3人を選ぶとき、男子が少なくとも1人含まれる選び方は何通りあるか」という問題です。

高校の頃、「順列・組合せ」はあまり得意なほうではなかったのですが、昔を思い出しながらどうにか教えました。このことが強く記憶に残っていたからです。答えは「46通り」です。皆さん分かりますか?

8人の中から3人選ぶのは、先ほど述べたとおり、

(8×7×6)/(3×2×1)56通り

男子が少なくとも1人含まれるということは、3人とも女子の場合を引けばいいので、3人とも女子であるのは

(5×4)/(2×1)10通り

従って、561046通りになります。

数学では、「男子が少なくとも1人含まれる選び方」というのは、「全事象-女子が3人選ばれる選び方」で、これを「余事象」の考え方と言います。

実はこれ、ずっと昔の学生時代に大検(今は「高校卒業程度認定試験」と名称が変わっています)の試験監督をアルバイトでやっていたとき、全く同じ問題が出題されていたのを見たことも思い出しました。ということで、nとrの組み合わせは無数にあるのですが、市販の問題集や簡単な入試問題レベルでは8と3が多いような(あくまでも)気がして、結果の「56」というのは数学の先生の感性に訴える何かがあるからかな・・・?とか密かに思っているところです。

 

 最後の56、これは何にこじつけようかな・・・と考えました。

憲法56条の定足数の内容、北緯56度や東経56度は地球上でどんな所を通っているか、第56代内閣総理大臣だった岸信介氏の頃の我が国の世相、原子番号56のBa(バリウム)の性質、在学中に皆さんが受験する電気工事士や危険物乙種第4類等の国家試験の中で56が超重要数字になっていなかったかな・・・と色々と調べてみましたが、ぱっとしたものはありませんでした。

 

そうこうしているうちに、右の写真のような最近学校に寄贈を受けたYamasemi/Kawasemiという1冊の本が目にとまりました。そう言えば、地元のローカル線である肥薩線は3月4日にデビューした観光特急「かわせみやませみ号」で沸いています。「ヤマセミ(山翡翠)」は人吉市の鳥、「カワセミ(翡翠)」は八代市の鳥とあり、なるほど水質日本一の球磨川に棲む美しい鳥を列車名につけたJR九州のアイディアは素晴らしいと思っていました。

その本にこの2つの鳥の生態が詳しくまとめてあり、こんなことが書いてあります。カワセミに関して、「宝石の翡翠(ひすい)は、このカワセミの名前から来ている。宝石のほうが先ではない。翡翠の二文字共に羽の字が入っていることからも判ろう」と。そしてヤマセミに関して、「産卵後56日で巣立つが、人吉市の観察では1日に1羽ずつ巣立っている」と。何と、ここに56という数字を偶然に見つけることができました!

 

皆さんも一日一度も数字を見ない日はないはずです。56という数字に注意を払って学校生活を送ってみましょう。

 

今日は長い文になってしまいました。ここまでお読みいただきありがとうございました。 【校長】


 

561248→172→All

入学式が終わって、更衣を済ませホッとしながら何気にHPを見たら、

午後3時10分現在のアクセス件数は、

                  561248 

下4桁の1248とは、1<2<4<8で末広がりです。

「何と縁起がいいのだろう!」と思いながら、閃(ひらめ)くものがあ り まし た。

数字の並びをそのままにして、加減乗除の記号を入れてみます。

 

56+124―8=172


172とは、つい先ほど本校に入学した生徒数(本科168名、専攻科4名の計172名)です。私、「172って何てステキな数字だろう・・・」と「入学許可」の時、壇上にいながら思っていました。

というのも、各位の数を合計すると10になるからです。「一を聞いて十を知る」「十人十色」のように、慣用表現では、10 は 「多く」「全部All)」の比喩として使われています。たまたま時刻も3時10分、日付も4月10日ということで10が揃いました。10に比喩的に込められた「全部」にあやかって、172全員が2年、あるいは3年後に揃って卒業できるようにと、この記事を書きながら願いを込めたところです。

同時に、様々な個性や能力を持った生徒たちが集まったこのダイヤモンドの原石の集団を、どう磨きどう輝かせて卒業させるか、私共の力の見せ所であり、責任を痛感するとともに、楽しみに思ったところでもあります。                                           

                                                                                                                                          【校長


【各位の数の和が10に関連して】

172は、各位の数の和が10となる17番目の数で、1つ前は163、次は181です。

各位の数の和が10というのは、数学の先生たちの人の関心を引くようで、2008年の入試では「2008は、各位の数字の和が10になる4桁の自然数である。このように、各位の数字の和が10になる4桁の自然数は全部でいくつあるか求めよ」といった問題がいくつか大学で出題されていました。

ちなみに今年、2017年も各位の数字の和が10で、2008年以来9年ぶりです。2008年の1つ前は何と「未成年者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」で有名な未成年者喫煙禁止法が制定された1900年(明治33年)だったわけですから、数学の先生たちがいかに興奮したか容易に察しがつきます。そういうことで、さすがに今年は「2匹目のドジョウはいない」のかもしれませんが、生徒の皆さん、この問題に挑戦してみてはいかがでしょうか。(中学生の皆さんには結構手ごわいかもしれません。答えは219個です)

ところで、人の手の指の数は両指併せて10本です。多くの文明において標準的な記数法として十進法が採用されているのは、人間が指を折って数えるこの習慣から来ていると言われています。ちなみに、新入生の数172を16進数**で表すとACになります。

余談になりますが、ACというのは、電卓やパソコンの世界では、

All Clear(完全に消す)を意味します。入学してすぐ(6月頃)

受験する計算技術検定3級では、消すこと(ソロバンで言うとこ

ろの「御破算」)の重要性を嫌になるほど思い知るはずです。

直前に行った数値が残っていたら、正しい計算結果は出ませんよね。

きちんとクリアしてから計算を始めるようにすれば、おのずと間違

いは 少なくなります。だけどそれがクセになってしまって、一つの

数値の入力ミスでもAll Clearしてしまうと、特に長い計算式では再

入力の時間がもったいないです。皆さん方がこれから授業で使う電

卓は、入力ミスした部分だけを修正して要領よく計算ができるよう

な賢い電卓です。どうぞ、高校の専門の授業をお楽しみに!

 

**16進数は16を基数として表した数値です。高校入学後、全科で共通に学ぶ「情報技術基礎」(建築科と電気科は1年生で、機械科・建設工学科は2年生で学習)で、これまた嫌になるほど叩き込まれます。ちょっとだけ予習気分で・・・

16進数、ちょっと難しいですが、10進数と比較しながら考えたら分かりやすいかもしれません。10進数は、0から9までの 10種類の数字を使って数を表し、数が0から123…と順に増えていくとき、789 までは 1桁ですが、次は桁上がりして10になります。

同様に、16進数には16種類の数字があります。文字としての数字は0から9までの10種類しかないので、アルファベットのAFを「数字」として借用します。16進数は0からFまでの16種類の数字を使って数を表し、数が0から123… と順に増えていくとき、789の次はABC と続き、DEF までは1桁ですが、次に桁上がりして10になります。コンピュータでは 2進数が使用されていますが、2進数は桁上がりが激しいので、例えば今話題にしている172だったら10101100となるように、大きな数値を2進数にすると桁数も多くなります。そこで16進数が登場するわけです。16進数にはアルファベットが混じったりするので、慣れないうちは「数」とは思いにくいかも知れませんが、01ばかりがやたら並んでいる 2進数よりは、はるかに扱い易いはずです。詳しいことは授業でのお楽しみということで、今日はこのへんで。

アクセス数555555件達成

いつも本校のHPにお越しいただきありがとうございます。

555555とは、4月2日(日)10時25分現在の本校のHPのアクセス件数です。前回のぞろ目である444444件を達成したのは、昨年11月5日(土)でした。従って、1日平均750件という県下の公立高校の中では最高水準のアクセスを日々いただきながら順調に数を増やし、148日(約5カ月)で111111件を積み上げて、555555件になったことになります。

 次のぞろ目は666666ですが、その前に654321という記念すべき数字もあります。今の調子で順調に推移していくとすると、654321が8月11日(金)、666666が8月28日(月)で、いずれも夏休み期間中になりそうです。その頃どのような日々を送っているのか、考えるだけでも楽しいですね。「今年こそ宿題に追われない日でありたい」とか頭をよぎった人もいることでしょう?

 

ところで、555555という数字の並びは、高校の頃に因数分解同好会に所属していた私にとって妙に惹きたてられるものがあります。手始めに素因数分解をしてみました。

555555=3×××11×13×37

でした。最初の素因数の並びが何とも綺麗です。従って、約数は 1, 3, 5, 7, 11, 13, 15, 21, 33, 35・・・・・(途中省略)・・・・・, 15873, 16835, 26455, 37037, 42735, 50505, 79365, 111111, 185185, 555555の64個あることになります。

 

そういえば、小学生の頃、「けけけけ555555 これなんだ?」というなぞなぞがあったことを思い出しました。生徒の皆さん分かりますか?

ヒントは「」です。(答えはこの記事の最後に載せておきます)

 

ところで、ぞろ目はプレミアム(付加価値)が付くこともあります!

  

 上の写真は、随分前ネットオークションで出品されていた発券番号P555555Xの5千円札です。最低落札希望価格が8万円だったのを覚えています。

5千円で思い出したのですが、生徒の皆さん、555,555円は英語で何と言うかは大丈夫ですか?世界共通の商慣習に従って3桁で区切りのコンマを入れていますが、まずコンマの前の数字は555です。千が555個という発想で、five hundred fifty five thousandとなり、次に555を同じようにと読んで追加します。従って、

five hundred fifty five thousand, five hundred(and) fifty-five yen

となります。英語の数字は、基本的にコンマごとに単位を変えて読めばいいので、一・十・百・千・万・・・・と、位どりがややこしい日本語の数字の読み方より簡単で合理的ですよね!

次のぞろ目である666666に向けて、HPの内容充実を図っていくつもりです。今後とも、本校のHPへのお越しをお待ち申し上げております。

                           【校長**


答え:「消しゴム」 これは、日本最大級のなぞなぞ問題集サイト(なぞQ.com)にも収録されていることを確認しました。それによると、5つの難易度レベル(ようちえん、かんたん、ふつう、むずかしい、おにころし)の中の「ふつう」レベルでした。このサイトの「おにころし」レベルの問題は、暇つぶしに十分楽しめますよ!

 

**このたびの定期人事異動で末廣克郎前校長の後任として天草工業高校から転任して参りました西智博と申します。天草工業高校もHPの充実に力を入れていましたが、どのようにすれば一日750件のアクセスが集まるのだろうと、球磨工業高校のHPをいつも尊敬の念で見ながら多方面から分析をしておりました。
今回、
生徒たちが多方面で活躍し、全国にその名を轟かしている本校に赴任できたことを大変喜んでおりますし、赴任して何気に見たアクセス数をヒントにした本記事のアップが最初の仕事になりましたことを光栄に思います。HP運営者とともに魅力あるHPに力を入れて参りますので、今後とも宜しくお願いします。