徒然雑記帖

総アクセス数969696 → 100万の前に一息

土の中で冬ごもりしていた虫たちが地面に這い出てくる日とされる24節気の一つ啓蟄(けいちつ)、今年は3月6日だったようです。それから一週間が過ぎ、あの厳しい寒さが嘘のように暖かい毎日が続いています。生徒の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。高校入試関係で家庭学習の日が頻繁にあっていましたので、寝ぼけた虫たちのように調子が狂っている人もいるかもしれません?

昨日は合格発表がありました。昨年、一昨年、ドキドキして過ごしたこの時期を思い出してみるのもしみじみとしていいものかもしれません。

さて、969696とは、昨日3月14日8時12分現在の本校のHPの総アクセス件数です。

 

このような綺麗な数字を見ると、数字の並びをそのままにして、加減乗除等の記号を入れてみたくなり、昨日の日付の314を作ることに挑戦していました。

(969-6)÷√9-6=315        惜しい、もう一歩

96×(9-6)+9+6!!!=315     あれ~

9!÷6!÷9×6-(9+6!!!!)=315 どうしたんだろう?

  

【注】 中学生の皆さんへ。

”!”は「階乗」または「ファクトリアル」と読みます。例えば6!なら、6×5×4×3×2×1を計算して720になります。”!”が2つ以上つく「多重階乗」については、高校の学習範囲を超えてしまいます。しかし、そんなに難しくはないので、興味ある方は10月22日の記事「祝 総アクセス数800000件達成」をご覧ください。校長室>徒然雑記帳から入ることができます。

ちなみに6!!!は2つ飛ばしの階乗ですから6×3で18です。また、6!!!!は3つ飛ばしの階乗ですから6×2で12になります。


  ということで、お昼ご飯を食べながら20分ほど格闘しましたが、どうしても式を完成させることができませんでした。持ち帰って今度は晩酌をしながら楽しみました。でも、近い数字にはなりますが314はとうとうできず、give upしました。この記事をアップし始めてから初めてで残念です。もし、生徒の皆さんで314になる式を作れた人がいたら教えてください。

ところで、969696というのは、間もなく到達するであろう1000000100万)の前に敢えて取り上げて、その数字の性質を考察しておくべき数字だと思います。

そこで、その面白さを実感するクイズを作問してみました。問題はわずか3問、○×クイズです。下の「正解と解説」を見る前にちょっとでも考えてもらえれば嬉しいです。

① 969696と紙に書いて180度回転させた後、その数字を裏側から見ると696969になる。

② 696969÷96969669÷96の計算結果は同じである。

③ 961, 2, 3, 4, 6, 8, 12, 16, 24, 32, 48, 9612個の約数があり、69の約数(1, 3, 23, 69)4個のちょうど3倍の約数をもっている。従って、969696の約数の個数も696969の約数の個数の3倍である。


① 正解と解説

 × 180度回転させても同じ数字になります。それを裏側から見ると、次のように見えるはずです。→   

実際に紙に数字を書いてやってみてください。

それにしても、数字の「6」と「9」、よく似てますよね。昔、担任をしているときに、くじで席替えをしていた際、二つの区別がつくように6には「」のようにアンダーバーを引いていたのを思い出しました。

十進法のそれぞれの数字がいつ頃発明されたのかよく知りませんが、今改めて疑問に思ったのは、「なぜひっくり返したら同じみたいな記号にしてしまったのか」ということです。0と1から9まで、順番に見ていっても、こんなに似ている記号を使った数字はありません。なぜこういうことになったのか、数学史を紐解くと面白いかもしれません。


② 正解と解説

 69696969×1000069×10069

       =69×(100001001

       =69×10101

96969696×1000096×10096

       =96×(100001001

       =96×10101

従って、696969÷969696=(69×10101)÷(96×10101
               
69÷96

                =0.71875

③ 正解と解説

 969696を素因数分解すると2×3×7×13×37ですから、その約数の個数を指数に1ずつ足して積を求めると、6×3×2×2×2144

一方、696969を素因数分解すると32×7×13×23×37ですから、その約数の個数は3×2×2×2×248

従って、144÷48=3で3倍になります。

しかし、実際にこんな面倒な素因数分解をするまでもなく、②の解説の本質的な意味が分かれば、○になることは自明ですよね! 


  いかがでしたか?工業高校に学ぶ生徒の皆さん方にとって、数学は大事な科目になります。というより、数字とはこの先、縁が切れないはずですし、まずは近い将来の関門である入社試験で課されるSPIの非言語問題を、快刀乱麻を断つがごとくやっつけていかなければなりません。そんな皆さん方に、数字を見る目や数的処理のセンスが高まるようにとの願いを込めて作問してみました。

最後に、言語系のクイズも2問。

④ 百人一首の69番と96番の両歌で、共通して想起される事物は次のどれか。

ア:花  イ:鳥  ウ:風  エ:月  

⑤ 「6」と「9」のように紛らわしい日本語の平仮名を一組挙げよ。


④ 正解と解説

69番 【能因法師】

嵐吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は

     龍田(たつた)の川の 錦なりけり


(現代語訳)山風が吹いている三室山(みむろやま)の紅葉(が吹き散らされて)で、竜田川の水面は錦のように絢爛たる美しさだ。

      

96番 【入道前太政大臣 藤原公経(きんつね)】

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

     ふりゆくものは 我が身なりけり


(現代語訳)桜の花を誘って吹き散らす嵐の日の庭は、桜の花びらがまるで雪のように降っているが、実は老いさらばえて古(ふ)りゆくのは、私自身なのだなあ。


                生徒の皆さんは、百人一首をどのように覚えていますか?

語呂合わせ(例:うかりける…はげしかれとは → うっかりはげ、なげけとて…かこちがおなる → 嘆け過去)や決まり字で覚えている人がほとんどだと思いますが、詠者や歌番号で覚えている人も数は少ないですがいるはずです。

この問題は歌番号で覚えている人じゃないと難しかったかもしれません。中には、「これやこの ゆくもかえるもわかれてはしるもしらぬもあふさかのせき」→「百首の中で唯一濁点が一個もない歌」のように、特徴を捉えて覚えている人もいるかもしれませんね?

       

⑤ 正解と解説

平仮名の「さ」と「ち」

左右対称というのでしょうか、改めて見るとよく似ていると思いませんか?

英語のアルファベットの「p」と「q」*もそうですよね。

  pとqで思い出しました。一昨年の京都大学の入試で数学の問題の中で「2つの素数pとqで、p+q の計算結果が素数になる組み合わせを全て求めよ」という、ハッと虚を突くような問題が出題(理系・第2問・配点30点)されていました。

式が簡単で美しい対称形ですが難問です。でも、一組なら中学生の皆さんでもすぐに見つけられるはずですし、その一組を答案に書くだけで部分点はもらえるはずです。難しいのは、「全て」というのをどのように証明するかです。

いつか機会があればこのサイトで取り上げるかもしれませんが、果たして何組あるのか、素数が好きな人は知的に格闘してみてください。

今日は、96が3回繰り返された969696をもとに、96と69まで話を発展させました。

実は96は熊本市出身の私にとっては、電話の市外局番096-***-****で何十年もお世話になっているわけで、とても身近な数字だと思っていました。

また、それをひっくり返した69ですが、つい先日来賓として出席した人吉第二中学校の卒業式では、体育館前方に「第69回卒業証書授与式」と看板が下がっていて、「69回目を数えるということは、昭和何年に開校したんだろう?」と指を折りましたので記憶に新しい数字です。

そういえば、2週間前の日曜日、熊本駅の前を歩いていたら、突然署名を求められました。何だろうと説明を聞いていたら「憲法改正に関する『反対』の署名」でした。

日本国憲法で憲法改正について定めた条文は第96条です。そして、自衛隊の役割を明文で書き込むための憲法改正を目指しているのが安倍内閣です。その安倍内閣、今も続く長期政権の源流となる第2次安倍内閣が発足したのが安倍氏を第96代内閣総理大臣として任命された平成24年12月26日でした。この「96」の偶然の一致は何だろうと、つい思ってしまいます。

【校長】