お知らせ

2学期始業式校長講話

 

                       令和元年9月2日(月)

 

≪始業式に際して、次の旨の話をしました≫

 

 おはようございます。夏休みは前半が猛暑、後半は梅雨を思わせる長雨が続きましたが、いかがお過ごしでしたか。

 

 私事になりますけど、来週の日曜日、9月8日にくま鉄検定が行われるということを新聞でたまたま知りました。何と申込締切日の3日前でした。私、高校のとき、鉄道研究同好会で会長を務めていたくらい鉄道大好き少年で、今でも筋金入りの鉄ちゃんです。教員生活最後をここ人吉の学校に勤めた記念として、これは絶対受験しなければならないという天の啓示を得たような気がして早速申し込みました。といっても、公式参考書も問題集も何もありません。受験に必要な知識は実際にフィールドワークして足で稼ぐしかないと思い、学校閉庁日の3日間、人吉・湯前間を何往復もして色々目にしたり耳にしたりして学術的な調査をしました。その時あちこちの駅で生徒の皆さんとお会いしました。校長先生は一体何しているんだろうと訝しがられたかもしれず、ちょっと恥ずかしかったです。それにしても、知らないことを知るのは楽しいですよね。湯前駅まで全部で踏切はいくつあるか知っていますか?トータル62箇所です。そのうち何と7箇所が遮断機も警報器もないとても危険な踏切でした。そのような発見をもとにクイズ形式の問題を100問作成しました。よければ皆さん方にも解いてもらいたいと思い、「勝手にくま鉄検定」と題してHPの校長室のフォルダにアップしたところです。

 そういうことで、私は充実していましたけれども、きっと皆さんたちも、令和最初の夏休み、これをしたという達成感や満足感が残る思い出深い夏休みを過ごされたことと思います。

 

 今日はまずお礼から申し上げます。最初は終業式の日の九州学院とのベスト4をかけた全校応援です。逆転負けという悔しい結果に終わりましたが、3年生の応援リーダーを中心に精一杯の声で応援をしていただきました。最後まで死力を尽くしてプレーする選手の姿勢から皆さんたちも色々と学んだはずです。素晴らしい試合をしてくれた野球部の皆さんに改めて感謝します。

 私、高校生の時に、普段と少し違う真剣な様子の同級生や先輩を応援するというのは、とてもよい経験であり、きっと忘れられない思い出になるはずだと信じています。自分自身が高校生の時を思い返してもみても、初めて自転車で藤崎台に駆け付けたことは勿論、スタンドのどのあたりで応援したか、どういう負け方をしたか、審判のジャッジが母校にとって厳しいというか、納得いくものじゃなかったこともあり、40数年経ってもいまだに鮮明に覚えています。

 

 次に、お隣、伊佐市で行われたカヌー部のインターハイの応援です。3年生45人が応援に行きたいと手を挙げてくれ、バスも予約していたところですが、こちらは台風のために急遽当日の試合が中止になりました。でも、友達の晴れの大舞台に声援を送りたいと手を挙げてくれた人たちの熱い思いが嬉しかったです。その心意気に感謝します。

 

 最後に、ボランティア関係です。体験入学や親子木工教室を始め本校や各地で行われた様々な行事に沢山の人たちがボランティアとして関わっていただきました。私からも改めてお礼を申し上げます。

 私、小学生に勉強を教える学習支援ボランティアの様子を見に隣の西小学校に行って、びっくりしました。算数です。2×4+2×( )=8という穴埋め問題を小学3年生がやっていました。勿論答は0ですが、人類が永年かかって獲得した0の概念を今の子どもたちはこうやって自分のものにするんですね。私、小学生から質問されたらどう教えようかと問題を見て固まってしまいました。聞かれなかったからよかったです。本校の生徒たちは、いともたやすく教えていて本当に驚きました。休み時間、小学生は可愛いというか天真爛漫です。相撲をとってとかおんぶしてとか両手にじゃれついていました。童心に帰って小学生の相手ができるということは、豊かな感性がしっかり身にいているということであり、校長として教師の一人としてその様子を嬉しく誇らしく思いました。

 

 話をかえます。2学期のことです。この学期は体育大会、球磨工フェスタに加え、2年生はインターンシップ、そして人によっては、おくんちなど地元のお祭りもあり、皆さん方一人一人がその持ち味を生かして活躍できる場面が沢山あります。昨年もここで申し上げたことですが、本校に入学して3年間の学校生活の中で経験するそのような学校行事や日々の授業、部活動を通して、何を身につけ、どう変わったか、それから得られた自分の強みは何かということを3年後に堂々と自分の言葉で言える人であってほしいと、私、常々願っています。

 私たち教師にとってみれば、それこそが皆さん方に施した教育の総決算であり、皆さん方を受け入れる企業にとってみれば、それが一番聞きたい所でもあり、2週間後に始まる入社試験の面接ではそのことを自分の言葉でどれだけ言えるかが合否のカギになります。

 

 先日、3年生の皆さん方の履歴書の最終チェックをしました。魂を込めてしたためられた履歴書です。私も敬意を表して丁寧に読ませていただきました。10行ほどの志望の動機の終わりの部分に志望に当たってのささやかな決意が書いてあります。1人だけ紹介します。

 私は高校生活の中で、部活動だけでなくボランティアや資格試験などに積極的に取り組んできました。自分をもっと向上させたいという一心でひたむきに頑張ってきた甲斐もあり、学習面でも精神面でも成長することができました。この向上心は私の長所であり、貴社が掲げる経営理念でもあります。入社できましたら、この向上心に更に磨きをかけるとともに、貴社に貢献できるように精進しますので宜しくお願いします。

 いかがでしょうか、とても力強いものを感じますよね。これを読んだ人事担当者の高揚する気持ちにも思いを馳せたところです。このように、144名の就職希望者全員が、己をしっかり見つめて、人に負けない所や決意を力強く訴えており、本校の教育の成果を十分に感じ取ることができ、とても意を強くしたところでした。繰り返しますが、履歴書の志望の動機の最後にどのような自己PRがかけるかが肝であり、皆さん方自身の高校生活の成果が問われるところです。

 1,2年生の皆さん、あと2年後、1年後にこのように力強く自分を主張できるよう、特に意識して、時には自分自身を追い込むような2学期を送ってほしいと思います。そして、3年生には間近に迫った就職試験に向けて全力を尽くしてほしいと願い、この話をしました。

 人間は苦しむときに精神的に成長すると言われます。別に「苦しみなさい」とは言いませんが、皆さん方一人一人の成長が実感できる2学期であることを期待して私の話を終わります。

 

 

≪5限目にALTのケビン先生の新任式が行われ次のような趣旨の話をしました≫

 

 7月で退職されたALTのチャールズ先生の後任として、新しくケビン・アンダーソン先生が着任されました。先日、校長室に御挨拶に見えられ、少しだけお話しする機会がありましたので、伺った範囲で御紹介します。

 ケビン先生は、アメリカの西海岸に所在するカリフォルニア州サンフランシスコ出身で、大学は同じく西海岸のワシントン州シアトルにあるワシントン大学を御卒業です。

 ケビン先生はそこで生物学を専攻し、主にキノコの研究をされたということです。趣味は旅行で、今までにヨーロッパやオーストラリアなどを旅行され、日本にも1度来たことがあるそうです。スポーツでは走ることが好きで、ハーフマラソンなどの長距離を走ったこともあるということですので、体育大会や長距離走大会など参加していただきたいですよね。

 また、恐竜などの古代生物についても興味があるとも伺いました。恐竜といえば、わが熊本県が本場です。御船町は日本で最初に肉食恐竜が発見された町でもあり、その化石をもとに全体が復元されている恐竜博物館があります。今、特別展示をしているようで、売店横にはポスターが掲示してありました。そのうち是非とも訪ねていただけたらと思います。

 まだ人吉に来られて1ヶ月なので日本の生活に慣れるのに苦労されることもあるでしょうが、みなさんの元気な挨拶ややる気のある授業態度でケビン先生を安心させてほしいと思います。