◆ 美術科の元気な生徒たちの素晴らしい活躍や日常をお伝えします。
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美術科ブログ

SSH探究活動と美術科卒業制作

 美術科制作展では絵画や彫刻、デザイン・工芸が展示されています。

 今年、特に変化があるのはデザインです。

 今の3年生はSSH指定第4期に始まった学校設定科目「美術探究」と「AS(アートサイエンス)」の完成年度の生徒たちです。その為か、ASテーマ研究と卒業制作のリンクや、マーケティング的な視点の作品が多く生まれました。10月14日まで展示されていますので、是非ご来場ください!

 高校美術展で制作した作品も「薩摩切子」を主題としていました。この生徒は伝統工芸を支える職人の方々について調べ、薩摩切子を紹介するポスター、伝統工芸を生活デザインにアレンジする提案、その広告デザインを制作しました。2年次の制作も含めると1年をかけた探究が様々な形になり、ここに展示されました。

 右側のポスターは熊本の観光雑誌をイメージしたもの、テーブルにある冊子はそのプロトタイプです。左のポスターは自分自身のブランドを想定したポスターとカタログ。イメージ映像です。この生徒は実際に服も制作しました。

 この卒業制作の主題はブランディングであり服の制作ではないので、このような展示にしています。

 最後に津奈木町と阿蘇をテーマにした作品です。この作者たちは、いずれは地域活性化に関わる仕事をするかもしれませんね。

 

 

美術科制作展始まります。10月8日から14日

 熊本県立美術館分館で8日より始まります。3先生の作品を中心に、2年生と1年生の授業作品を展示します。分館は平日は午後6時まで入館できますので、お仕事や学校帰りの皆さんもぜひお立ちより下さい。(写真が暗くなってしまったのでぜひ実物をご覧下さいね)

右の作品は校長先生の講話からインスピレーションを得たそうです。

県美展等で入選、入賞した作品も展示しています。

探究をテーマにした作品

美術科のみんなの美術を愛する心が美しく花開くことを祈っています。

美術科3年ドローイング×風船

 

 夏休み明けの9月中旬3年美術科でこのような楽しい授業を行いました。

 まずは一人10個は膨らませたでしょうか?次に、アイスブレイクで一分間風船を飛ばし続けました。

 次に目をつぶり、風船を五感で感じます。

最初の3枚は木炭でドローイングです。まずは早い線、超高速の線、遅い線で表現。そして軸、稜線、面を意識した線を引くことがテーマで進めます。

 次に言葉で表現。

 最後に色彩で表現。シュタイナー教育の「にじみ絵」も参考に、最初は黄色→青→赤の準備色を重ねます。あとは思い思いの表現を行いました。

 後日生徒の作品に変化があったので聞きましたところ、線をゆっくり引いたり速く引いたりする経験で、自分にもこんな線が引けるんだと気が付いた、という感想を聞きました。

 ドローイングは直訳すれば線画や素描となりますが、鉛筆や木炭だけでなく色を使うものもあります。記事にするにあたっていろいろ調べたのですが、諸説あるようです。いつものデッサンとは異なる視点からドローイングを重ねていくことで、自身の創作の本質のようなものが積みあがっていくのでしょうね。

SSH特別授業 美術科「フレスコ画講座」

 8月23日、夏休み課外の放課後、SSH特別授業フレスコ画講座を行いました。

 講師は昨年も来ていただいた第二高校美術科卒業生椎葉聡子さんです。

 まず、準備として水酸化カルシウムを水に浸します。次に珪砂を混ぜモルタルをつくります。左官屋さんが使うようなコテを使いモルタルをレンガに塗ります。レンガを乾かしている間、講義があります。

 生徒たちはプルシアンブルーをつくったときと同様、化学科教諭高崎先生からフレスコ画の仕組みをレクチャーしていただきました。中学の時の石灰水に息を吹き込む実験を思い出しつつ、今回の活動につなげていきます。

 椎葉さんの川尻での取り組みなど体験とフレスコ画の歴史を学びました。フレスコ画の歴史は古く、油彩画の登場まで美術史を彩る存在でした。ミケランジェロの「アダムの創造」もフレスコ画です。体験すると、油彩画との違いがよくわかります。

 実験でつくったプルシアンブルーも登場しましたが・・・

 モルタルに載せると黄色に変色してしまいました。

 夜空は藍色のはずが金茶色の空になってしまいました。びっくりしつつ上手にその色を楽しみ構成していました。この辺りの理由はまた高崎先生にレクチャーしていただこうと思います。

 モルタルを塗るときはワイワイ、制作の時は真剣そのものの1年美術科でした。デジタルの表現が主流の時代に、フレスコ画という素材そのものを味わう表現、そしてプロセスを楽しむ表現を経験したことがどう彼らに変化をもたらすのか楽しみです。

椎葉先生、高崎先生ありがとうございます。

絵具をつくろう「プルシアンブルーとクロムイエロー」7月18日

 SSH事業と美術科の授業がコラボした授業の中で最も化学的な内容の「絵の具をつくろう~プルシアンブルーをつくる実験」は今年で3回目。夏の風物詩になりそうな予感です。

 プルシアンブルーは江戸時代に活躍した画家で伊藤若冲や葛飾北斎が西洋から輸入したベロ藍として制作に用いたことで知られています。古代エジプトにも合成顔料の発見があったようですが、プルシアンブルーは18世紀にヨーロッパで赤の顔料をつくろうとした過程で偶然生まれた人工顔料です。特に合成顔料の開発によって絵の具が安価になり、流通しやすくなったことでゴッホの著名な作品が生まれる要素の一つとなりました。つまり、科学と美術は密接につながってることを生徒に知ってもらいたいという願いから生まれ、引き継いでいる授業です。

美術科の生徒にとっては白衣を着て、化学室に入るのもドキドキ。「なぜ白衣を着るんですか」の素朴かつドキッとする質問もいきなり飛び出しましたが、化学担当の高崎先生「安全であること。薬品の変化を見やすいこと」と実験の基礎から、さらに「手術では補色の関係で緑の服を着ている」と美術の色彩についてまで教えてくれました。

塩化鉄(Ⅲ)水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム水溶液を少量加えます。二つの液体を混ぜると藍色に変化します。これがプルシアンブルーです。

 化学式にするとこうなります。スライドでコバルトブルーを天然と合成顔料を比較したのですが、合成顔料の方が鮮やかです。その理由も化学の先生を通すと「構造がしっかりしているから」となります。

変化を写真で順番に・・・

ろ紙で濾します。

次にクロムイエローをつくります。ゴッホのひまわりにも使われた色です。

出来上がった二色の顔料を膠(にかわ)で溶き、思い思い絵を描きます。

片付けまでが実験。

振り返りまでが学習。

生徒のワークシートより

★色が変化する瞬間や、紙に塗って広がる瞬間に美しさと凄さを感じました。そういう瞬間に美術としての視点(色の美しさや変化)、科学としての視点(物質としての変化)など、双方の視点から感動を受け取ることができました。

★科学と美術は密接に関係していると考える、例えば今回の実験のような絵の具をつくったり、古い絵画や彫刻などを科学的に調査するようなことも多々あるためである。今後科学的な視点で様々な視点で色を調査したり、その歴史も調べてみたいです。そして、じぶんでつくった絵の具で制作をしたいと思います。