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                      光永 幸生
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校長式辞

  2学期全日制始業式式辞(平成30年9月3日)
                   光 永 幸 生


皆さんおはようございます。2学期始業式ということで、私から話をさせていただきます。

 この夏休み、課外授業の他、部活動の全国大会等、結構忙しい日々が続いたのではないでしょうか。また、大学のオープンキャンパスへの参加やインターンシップ、ボランティア活動など、この時期にしかできない内容で、中身の濃い経験をした人も多かったのではないでしょうか。

 これから始まる2学期は、文化祭や澪行など、人高にとっても大きな行事を控えています。3年生にとっても公務員試験、大学のAO、推薦入試等、いよいよ本番です。1、2、3年生全ての皆さんが、それぞれの目標に向かって成果を上げる2学期になって欲しいと思います。

 さてこの夏は、猛暑と台風について、毎日のように報道されました。本校も7月30日に予定していたオープンスクールが台風のために延期になりました。オープンスクールについては9月22日(土)に行う予定です。部活動紹介や、出身中学校ごとの交流会など、皆さんからも人高の魅力を十分に発信してください。

 さて2学期の最初にあたり、皆さんにも、人高はどんな高校か、母校となる人高でどのような力を着ける必要があるか、どんなことを目標に学習していくべきかを、それぞれで問いかけてみてもらいたいと思います。そこで皆さんにつけて欲しい力について、私が考えていることをお話しします。

 本校のあらゆる教育活動は、三綱領「礼節」「勤労」「進取」が土台であることは誰もが認めることでしょう。しかしこれまでも、その時代、時代に応じて、社会の変化に伴い、人高で行われる教育活動の中身も変化してきました。そしてこれからの数年間は、高校で学習する内容も大きく変化していきます。大学入試制度等も変わります。それはこれからの社会が大きく変化することが予想され、しかも複雑で不安定なものとなっていくと思われているからです。皆さんにはそのような社会においても通用する人物であって欲しいと思い、そこで人高生につけて欲しい力を、次のような3点にまとめてみました。

 一つ目は「思考力・論理力」です。やはり、深く考えるという行為、思考をめぐらすこと、そしてそれを論理立てて他者に伝えることは、今までも、そしてこれからも大事な力であると思い、これを最初に挙げました。

 二つ目は「知識・技能・体験」です。知識は豊富な方がいいですね。技能がなければ限られた時間で、しかも要領よく力を発揮することはできません。また皆さんはこの夏も多くのボランティア活動や部活動での大会等に参加しました。このような体験をとおして得られた個人の変化、成長は将来大きな力となることでしょう。

 三つ目は「アート力」です。美的感覚と言ってもいいでしょう。「美しい」もの、「美しい」ことに感動する心、これを養ってほしいと思います。なぜなら、前に述べた2点だけでは通用しないことがこれからの社会には多く存在するからです。特に意思決定の場面で、直感を信じなければならないことも多く出てくるでしょう。その際に、この力をどれだけ発揮することができるかが大きな課題となるはずです。

 「美的感覚」といっても、単に絵画や音楽、書の話だけではありません。皆さんの周りには美しいものが多数存在します。美しい文章や文学作品、美しい数式や数学の解法、美しい科学理論、スポーツの分野でも美しいフォームから生まれる素晴らしい走り、技、バッティング、スマッシュ、シュートなどなど。そのようなものをとおして感性を磨いていくことが、その人の精神を豊かにしていくことでしょう。またそれが、これからの社会を生き抜くための大きな力になると言われています。事実、グローバル企業の多くは、幹部やリーダーにそのような力を備えさせ成功を収めています。

 もちろん美的感覚、直感力が優れていても、非論理的な人は通用しません。この3点「思考力・論理力」「知識・技能・体験」「アート力」全てが大事なのです。このような力を授業や部活動、学校行事、ボランティア活動等をとおして身に着けてほしいと思います。

 その際に忘れてはならないのが、主体性です。目的意識もなく、受け身で授業や学校行事に参加しても意味がありません。私はこの「主体性」が皆さんに今一番欠けていることではないかと思っています。これは今の人高の大きな問題です。三綱領には「進取」という言葉が踊っていることを、人高の精神となる土台の一つに謳われていることを、もう一度心に刻んでもらいたいのです。

 さて、このような力をつけるためにも、学校としていろいろなプログラムを準備していきます。その1つ目が、夏休み前に紹介した「論理コミュニケーション」の授業です。そして2つ目に、グローバル的な体験活動の一環として、来年の夏、皆さんから希望者を募ってオーストラリアへ語学研修に行ってもらうことを計画しています。また、エンパワーメントプログラムというあらゆる諸問題を英語で語り合う研修の導入も検討しています。詳細が決まってから発表しますが、是非多くの皆さんが進取の精神で積極的にチャレンジして欲しいと思っています。

 また、3年生には改めて、先ほどの3点を念頭に、受験に対して、主体的に、真摯に取り組んで栄冠を勝ち取って欲しいと思います。

 それでは、この2学期の、皆さんの主体的な学びの姿を期待して、私の話を終わります。




  1学期全日制終業式校長式辞(平成30年7月20日)

Trial andError」の精神で

                                                 光 永 幸 生

皆さんおはようございます。1学期終業式ということで、私から話をさせていただきます。

    昨日はクラスマッチお疲れ様でした。また、準備で大変だった係役員の皆さんに改めて感謝します。また、本日はいろいろな企画が予定されていましたが、暑さ対策、健康対策で敢えてカットしています。関係の生徒の皆さんには申し訳ありませんでしたが、是非理解をお願いします。

ところで、先程、表彰式を行いましたが、この1学期、いろいろな活躍がありました。とても喜ばしいことです。また、これから大会を控えている人たちも体調や精神的な面も整えて、本番の大会で、今までの練習成果が十分に発揮できることを願っています。
 先日、横浜の聖光学院の生徒の皆さんが来校し、本校生徒諸君と交流を深めることができました。また、グループに分かれて、人吉を活性化するプロジェクトの研究発表会も行われました。とてもおもしろい提案もあり、人吉市長をはじめ、いろいろな方々からお褒めの言葉を頂くと同時に、有意義な時間を過ごすことができました。またこの交流はぜひ続けていきたいと考えています。

その中で、とても印象に残った言葉がありました。この一井正典「青雲の志」事業に参加した皆さんが一様に言っていたもので「try and error」という言葉です。意味は、挑戦して、失敗してもあきらめずに繰り返す、ということで、「試行錯誤」ということにもなるのかな、と思います。いろいろ調べてみるとtry and error」は和製英語で、本当はtrial anderror」だそうです。アメリカに行ってみて、あるいはこのような交流をやってみて、はじめて実は大変であること、失敗がつきものであるということを実感したことが、成功体験以上に多かったのではないかと思います。

また、一歩踏み出さないと、「失敗」という、次の成功へ、そして発展へと導かれる体験には出会うことはないわけです。私は一番楽で無難なのは、何もしない、あるいはやっても工夫がないことであると思います。その分、発展することは決してありません。それはむしろ後退であると考えます。
 始業式に2,3年生には話をしましたが、これからの学習活動には「主体性」が重要視されてきます。この夏休み、皆さんそれぞれがこの1学期を振り返り、課外授業やオープンスクール、インターンシップの参加、部活動等を通して、「主体的な学び」に挑戦してみてください。きっと今後のいいステップとなることでしょう。そのためには、今まで通りに勉強や部活動、生活を送っていくのではなく、自分の目標と、現状とのギャップを考えて、新たな方法や、新たなことへの挑戦を試み、少々失敗しても、成功への第一歩と考えて、「trial and error」の精神であらゆることにチャレンジしていってほしいと思います。

 2学期も文化祭、澪行をはじめいろいろな行事が予定されています。また、来年度へ向けて総合的な学習の時間を大きく変更する予定にしていますが、1,2年生には前倒しで9月より「論理コミュニケーション」という思考力を育成し、表現力をつける授業プログラムを慶応大学のSFCフォーラムの協力で行っていきます。これは熊本県では初めてのことです。

本日、クラスで配布されるかと思いますが、第1回として、早速9月12日にその論コミに関する講演会を実施します。この講演会には保護者の方の聴講も可能ですので、ご家庭でもご案内をお願いします。

 それでは、健康に留意し、実りある、アクティブな夏休みであることを願い、私の話を終わります。


  


1学期全日制始業式校長式辞     (平成30年4月9日)
              「学問のすすめ」~その美しさに感動を~
                                                 光 永 幸 生

 今度、伝統ある人吉高校の校長になりました光永と申します。改めてよろしくお願いします。1学期始業式にあたり、私から話をさせていただきます。

 4月に本校の校長に就任してから、地元の方々に挨拶に伺う機会がありました。かなりの場所を回ったのですが、どこに行っても本校の進学、部活動の活躍の話題となり、本校に対する大きな期待があるということをひしひしと感じました。ここにいる新2,3年生と、この3月に卒業した皆さんの大きな努力と成果が地元にも行き渡り、本校への注目が大きいということも理解できました。今年度も先生方とともに、あらゆる方面で活躍することを期待したいと思います。

 ところで、皆さんも、いろいろな報道でも見たり、聞いたりしていることと思いますが、皆さんが人吉高校を卒業し、大学等で学問等を収めた後に活躍するであろう頃の社会は、AIによって起こるであろう大きな変化が待っている社会です。そうなると、今後、大学等の高等教育機関は益々その存在意義は高まることでしょう。そして現在進行している、高校、大学、そして大学入試等の改革が、新しい社会のへ対応する人材の育成のために、更に進められていくでしょう。
 このことは大学進学をする生徒以外の皆さんにも同様に「学ぶ姿勢」の重要性を問われる状況になることになってきます。なぜなら、将来、誰もが高等教育を受ける機会が訪れる可能性があるからです。そのために、皆さんに求めたいことがあります。

  それは「主体的な学び」の推進です。授業のみならず、日々の課題や課外授業にだけ頼る学びは時代遅れになってきます。それだけで学習は終わりということは絶対にありません。自分自身を冷静に見つめ、分析し、自分に必要な学習は他にないか、他に触れておくべきものは何なのか、自分の興味関心を高めるにはどんな生活をするべきか、等をしっかりと考え、「思考をする」時間を多くもつことが必要です。もちろん学校の授業、学習活動が中心であることは変わりありません。しかし自ら考える学習活動をしなければ「真の学び」とならず、これからの社会からは取り残されてしまう、ということです。

 明治の教育者として有名な福沢諭吉は、その著書「学問のすゝめ」の中で「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と述べています。これは「万人は生まれながらに平等で、身分上下の差別などない」ことを意味しています。またこうも著しています。「人、学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」。これは賢人と愚人の違いは学ぶか学ばないかによって決まる、ということです。
 もちろん、明治初期という時代背景もあり、福沢は実生活に役立つ学問を優先しろ、ということも述べていますが、ここは現在の状況とは多少違うと私は考えています。しかし、学びの大事さについては、いつの時代も同様ではないかと感じています。
 皆さんは、これから学び続けることが今まで以上に大事である社会を生きていかなければなりません。その学びには楽しさを感じると同時に、他者と共感し合う優しさと、貫き通す強さを備えるべきであろうと考えます。また、これは部活動や学校行事、ボランティア活動にも通じる力になってきます。

  先生方も、この新しい「学び」を実践すべく、いろいろな研究をしていただくことになっています。授業に限らず、課題の内容、試験の出題内容も変化してくることになりそうです。

 学問の本質、あるいはスポーツ、芸術の王道に出会うと皆さんは「美しさ」を感じることでしょう。この美しさに感動を覚え、学びの楽しさを感じながら、一生学ぼうという姿勢を身につけ、学校生活を送っていって欲しいと思います。

 これで私の話を終わります。
  


平成30年度第73回入学式 校長式辞     (平成30年4月9日)
    

 満開の桜の花びらがうららかな春の日差しの中で舞い、時折り吹きゆく風の勢いが、ここ人吉盆地への春の訪れを感じさせます。この佳き日に、熊本県議会議員 溝口幸治様、人吉市副市長松田知良様をはじめ、第18代校長 尾方建一郎様、第19代校長  義寛様 ほか、地元関係中学校校長先生、教頭先生、更には同窓会、秀麗会、育英奨学会の役員の皆様など、多くの御来賓並びに保護者の皆様の御臨席のもと、平成30年度熊本県立人吉高等学校全日制第73回入学式を挙行できますことは、このうえない喜びであり、光栄の至りであります。

  先程入学を許可いたしました287名の新入生の皆さん、本当におめでとうございます。また、これまで皆さんのことを一番気にかけ、すこやかな成長を楽しみにしてこられた保護者の皆様のお喜びも一入と存じます。

 さて本校は、大正13年に誕生した熊本県立人吉中学校に端を発します。その後、大正5年に産声をあげた球磨郡立実科女学校、後の熊本県立人吉高等女学校と、昭和23年の学制改革に伴い統合され、熊本県立人吉高等学校として生まれ変わった、今年度創立95年目を迎える伝統校です。この間、人吉球磨地域の教育及び文化の中心的な役割を担って発展を遂げてきました。学舎を巣立った卒業生は37900名に上り、県内はもとより全国各地、あるいは諸外国で広く活躍されておられます。

このような発展はその時々の生徒の頑張りと、歴代校長、その時代の教職員の見識と献身的な努力、そして同窓会、秀麗会、地域の皆様の御協力、御支援が実を結んだ結果であります。 また、その礎となったのが、昭和39年の創立40周年式典で制定された教育綱領「礼節・勤労・進取」であり、その精神理念を表したスローガンとして平成13年に掲げられた「磨き鍛えん青春の志高く」であります。新入生の皆さんは、本校に誇りを持つと同時に、「新たな伝統を築き上げていくのだ」という気概を持ち、本校の更なる発展に貢献して欲しいと思います。

  さて、将来、皆さん方を待っている社会は、人工知能の開発が大きく進み、生活の至る所で様々なことに変化が起こり、利便性の高度化が期待される社会です。その代わり、2030年頃には国内労働人口の49パーセントの職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高いといわれている社会でもあります。ではそのような社会で我々はどのように生きていくべきでしょうか。

求められる理想像について、いろいろと論じられていますが、そのうちの一つに「人間性を磨く」ということが挙げられています。他者との学びの共感や、コミュニケーション能力の育成、文化に接し、芸術性を磨くことで、人工知能にはどうしても再現が難しい人間らしさを高めることを心掛けるべきであるといわれているわけです。そのためには我々の周囲のあらゆるものが学びの対象となることを知っておかねばなりません。 

  皆さんは、今年、生誕100年を迎えるアメリカの作曲家で、20世紀最高の指揮者の一人であるレナード・バーンスタインを知っているでしょうか。ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」の作曲でも有名です。バーンスタインは、指揮者としてオーケストラの演奏者の前に立つと、体全体で音楽を表現し、感情を前面に押し出した表情豊かな指揮で奏者の力を十分に引き出し、数々の名演を残しました。しかしそのような演奏を行うには入念な音楽の勉強、楽譜の解析、演奏者への配慮など、あらゆる努力が必要です。バーンスタインはこういうことを言ったことがあるそうです。「自分の理想とする音楽を表現するためであったら、指揮台の上で逆立ちしたって構わない。」自分の夢実現のためには、どんな困難なことであろうとも努力を惜しまないという覚悟が伺える言葉です。
 あらゆる学問やものごとの本質には必ず美しさが存在します。それらは生活を豊かにする力を持っています。ところがそれを実践、表現するどころか、理解すること自体が難解なものも数多く存在します。しかし要、不要に関わらず、その壁に立ち向かうことが豊かな「学び」につながると思います。

  学校の授業時間だけが「学び」の時間というわけではありません。「学び」とは生き方を学ぶことです。そのことが本校の三綱領の「進取」という言葉にも謳われています。新入生の皆さんは、これから始まる人吉高校での生活に大きな期待と不安をそれぞれ抱いているのではないかと思います。皆さんの周りには、学習面・部活動面・人物面で今まで出会ったことのない能力を持った同級生がいます。また先輩たちにも同様な人たちがたくさんいます。お互いに切磋琢磨しながら、自分の将来をしっかりと見つめ、高い志を立て、自分自身を磨き鍛えて、夢に向かって「学び」という活動を行って欲しいと思います。難解なものであろうと、学び続けることで、それぞれの夢に出会い、それに向かって努力をし、輝く人生のきっかけをこの人吉高校で見つけ、実り多き充実した時間を過ごして欲しいと願っています。

新入生の保護者の皆様におかれましては、改めてお子様の御入学、誠におめでとうございます。本校職員も在校生も新入生の入学を心待ちにしておりました。高校生の成長には家庭と学校の連携はなくてはならないものであります。本校職員もお子様の教育に心血を注ぎ、指導、支援をして参ることをお誓い申し上げます。これからの高校生活において、本校の教育方針や指導に御理解いただきますとともに、御支援、御協力の程お願い申し上げます。

  最後になりましたが、御来賓の皆様には御多用な中に御臨席賜り誠にありがとうございました。本校の使命の一つは人吉・球磨地域の進学拠点校として、地元を含めたグローバルな人材の育成であります。これまでも地域の皆様方のからの御支援、御協力をいただいておりますことに大変感謝しております。これからも人吉・球磨地域の拠点校として、更に連携を強め、地域教育の発展に力を注ぐ所存でございますので、どうか本校の更なる充実と振興のため、一層の御厚情を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。

 

   平成30年4月9日

                    熊本県立人吉高等学校長  光 永 幸 生